IDC Japanは7月12日、国内企業のIT投資動向や基幹システム稼働環境の動向などに関する調査結果を発表した。それによれば、2023年はIT投資の拡大が見込まれ、重点施策では基幹システムのアプリケーションのモダナイゼーション(最新化)に移行にしていることが分かった。
まず、2022年度(実績)および2023年度(計画)の年間IT予算の増減は、2022年ではIT投資が減少した企業の割合が増加した企業の割合を上回ったが、2023年はIT投資を増加させる計画の企業の割合が減少させる計画の企業の割合を約9ポイント上回った。IT投資を増加させる理由の上位3つは、「ビジネス規模の拡大」「新規システム開発の増加」「経済状況」だった。
2022年度実績と2023年度計画における年間IT予算の増減(出典:IDC Japan)
また、基幹システムの稼働環境に関して、現状ではクラウドで稼働するインフラが約57%、モダナイズされたアプリケーションが約27%だった。3年後の見通しでは、インフラのクラウド移行とアプリケーションのモダナイゼーションがともに進展し、特にアプリケーションのモダナイゼーションが進むと予想されている。
基幹システムの稼働環境、現状および3年後の見通し(出典:IDC Japan)
同社 Software & Services マーケットアナリストの村松大氏は、「今後の基幹システムは、インフラのクラウド移行からモダナイゼーションが重要なフェーズになるだろう。その際にサービスベンダーは、顧客のデジタルビジネスイニシアティブとの統合までスコープを拡げた支援を行うことが、顧客とベンダー双方の競争優位性を高める上で重要になる」とコメントしている。
調査は、4月に国内企業の最高情報責任者(CIO)や情報システム部門長および、それに準じる管理者を対象にアンケートした。