「Ubuntu」は長年にわたり、市場で最も人気のある「Linux」ディストリビューションの1つだ。それには多くの理由があるが、突き詰めていくと、使いやすさと秀逸なハードウェアサポートに帰着することが非常に多い。とはいえ、Ubuntuが万人にとっての理想のOSというわけではない。そのため、Ubuntuをベースとして多種多様なユーザーのニーズに対応する「派生」ディストリビューションが多数提供されている。
どんなタイプのユーザーも、満足のいくUbuntuフレーバーを見つけられるはずだ。
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それらのディストリビューションをレビューしてきた筆者が、各ディストリビューションに最適と思われるユーザーについて解説する。準備はいいだろうか。では始めよう。
「Edubuntu」
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最適なユーザー:学生や教師など、教育の優先順位が高い人
Edubuntuには、Linuxとオープンソースソフトウェアを教室で利用できるようにするという重要な目標がある。これは、幼稚園生から高校生までの人しかEdubuntuを楽しめないということではないが、Edubuntuのユーザーにとって重要なのは、数学、科学、芸術、社会科学、テクノロジーの分野で学びたいという意思があることだ。Edubuntuの最大の魅力は付属のソフトウェアであり、建築から宇宙と、その間にあるすべての分野のニーズに幅広く対応している。
EdubuntuディストリビューションはUbuntuの基本的なUIにそれほど手を加えていないため、教育を重視したOSを使いたい人は、「GNOME」デスクトップ環境に慣れる必要があるだろう。幸い、それは非常に簡単だ。このデスクトップは、未就学児向けのような外観のUIではなく、標準のUbuntuリリースと同様の大人向けのインターフェースを備えている。しかし、「GCompris」のようなアプリを開くとすぐに、Edubuntuが全年齢向けであることが分かるだろう。
「Kubuntu」
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最適なユーザー:従来型のデスクトップに多少の派手さとカスタマイズ性を加えたい人
MicrosoftのOSを長年使っていて、変化という概念を好まない人には、Kubuntuが最適な選択肢かもしれない。Kubuntuが使用する「KDE Plasma」デスクトップ環境には、パネルやスタートメニュー、デスクトップアイコン、システムトレイなど、慣れ親しんだすべての要素が用意されている。もちろん、Linuxなので、それ以外の機能も豊富だ。KDE Plasmaは高度な設定が可能なデスクトップであるため、ユーザーのLinuxの習熟度が上がるにつれて、より自分好みに設定できるだろう。