キンドリルは、大成建設が進める建物のスマート化を支援するため、パブリッククラウド環境の構築や運用支援と、次期「LCOS(LifeCycleOS)」の開発支援を開始した。LCOSは、BIM(Building Information Modeling)とIoTを融合した建物プラットフォームになる。また同社は、建物ライフサイクル管理サービス「LCMC(LifeCycle Management Console)」に関するクラウド活用の支援も行うという。
LCOSでは、これまで設計施工に活用しているBIMのデータや、竣工後に蓄積していく各種データ(IoT管理・ロボット管理・施設管理・エネルギー管理など)を「Microsoft Azure」上でひもづけ、統合管理する。
商業施設などのセンサー情報類を集約することで、施設全体から各テナントまでの人の動きを時間軸上に記録し、BIM情報と連携させてデジタルツイン化する。これにより、建物の運用状況をリアルタイムに可視化する。また各種施設において、エネルギー情報管理をBIMと統合することにより、エネルギーの可視化による管理や人の集まり具合に合わせた室温や換気など、空調の最適制御をリアルタイムに実行できる。
キンドリルは、パブリッククラウドの構成管理、インシデント管理、バックアップ運用といった運用作業を支援する。また、次期LCOSの開発支援として、アジャイル開発やユーザー体験の開発といった構築支援を行う。さらに、ヘルプデスクの構築、運用の試験運用を開始し、集積できたデータを分析して、さらなる運用の向上を図る予定だ。
大成建設は、ビルや施設の設備稼働情報に関する管理・運用を最適化するデジタル基盤として、2021年2月にLCOSをクラウド上に構築した。また、2022年8月にLCMCの提供を開始し、サービスを拡充している。さらに、ISMSの国際標準規格であるISO27001やISO27017の認証を取得するなど、セキュリティ強化についても積極的に取り組んでいる。