セントラル短資FXは、リレーショナルデータベース(RDB)のサポート終了を契機に顧客取引システムを刷新した。技術支援を提供したウルシステムズが12月12日に発表した。
セントラル短資FXは、外国為替証拠金取引(FX)サービスを提供する金融業者で、セントラル短資のグループ会社として2002年に設立された。既存システムで稼働するRDBのサポート終了に伴いインフラの移行が必要となっていた。
ウルシステムズでは、導入効果検証を実施して既存システムのボトルネックを特定し、新システムのアーキテクチャーを設計した。新システムでは、従来のRDBの代わりに分散型インメモリーデータグリッド「Apache Geode」を採用。注文・約定時の処理速度の向上と安定性の維持を実現するため、処理を全面的にインメモリー化したほか、データアクセスの簡素化や更新時のリアルタイムイベント処理の導入などを実施した。これにより、基幹システムとしての信頼性を確保しつつ処理速度を旧システムの10倍以上に高めたという。
セントラル短資FX 開発部長の植田啓男氏は「データ処理技術の進歩や市場の競争激化を背景に、当社のカバー取引先金融機関の配信レートを更新する頻度が高まり、顧客の注文の受注からカバー取引までの速度の向上を含めたITインフラの強化が求められていた」とコメントする。