さまざまなLinuxディストリビューションの世界

万人向けの使いやすい「Linux」ディストロ--ゲーム機能も充実した「Nobara Linux」

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2024-09-06 07:30

本記事の要点

  • 「Nobara 40」は公式ウェブサイトから無料で入手できる。
  • 初期状態であらゆるタイプのユーザーに素晴らしい体験を提供し、インストール後に必要な作業は非常に少ない。
  • 残念ながら、パッケージマネージャーGUIでの「Flatpak」アプリのインストールはうまくいかないようだ。

 「Nobara Linux」は、新しいバージョン(バージョン40)がリリースされたばかりのOSだ。ゲーマーを含むあらゆるタイプのユーザーをターゲットとする数少ないディストリビューションの1つという点において、Linuxの世界で独自の地位を築いている。Nobaraは「Fedora Linux」に変更を加えて、使いやすさを強化したバージョンだ。

 必要なプロプライエタリーパッケージがすべて含まれているため、「ポイントアンドクリック」で操作するユーザーも、マルチメディアコーデックやストリーミングに必要なソフトウェアのインストール、ゲームをより快適にプレイするためのOSの設定変更などについて心配する必要はない。それらすべてを組み込んだ美しいデスクトップOSであるNobaraは、「Windows 11」ユーザーにとって歓迎すべきOSになるだろう。

Steamのおかげで、Nobara Linuxでゲームを楽しむことができる。提供:Jack Wallen/ZDNET
Steamのおかげで、Nobara Linuxでゲームを楽しむことができる。
提供:Jack Wallen/ZDNET

 NobaraがFedoraの公式スピンではないという点には留意しておきたい。Fedoraのパッケージ、コード、リポジトリーを使用するが、Fedoraから完全に独立したプロジェクトだ。

 では、Fedoraから何が変わったのだろうか。いくつか例を紹介しよう。

  • カーネルにさまざまなパッチを適用(「zen」「OpenRGB」のほか、「Polaris」以前のカード向けの「AMDGPU」や、「Steam Deck」のサポートなど)
  • NVIDIAのカード向けにQSG_RENDER_LOOP="basic"を設定(「Wayland」のフリーズを修正するため)
  • AMD/Intelのデスクトップ/GLドライバー向けの最新の「mesa」リリースバージョン
  • 「glibc」にパッチを適用して「clone3」を無効化
  • dnfの最大並列ダウンロード数が6に増加
  • 「GameScope」「GOverlay」「MangoHud」「vkBasalt」を定期的に更新
  • NVIDIA GPUの検出とドライバーの自動インストール
  • 「SDL2」にパッチを適用してNVIDIAのフレームレートの問題を修正
  • OSインストール後のコーデックのインストール

 かなり多くの変更があり、幅広い改善点に対応している。変更点の一覧は、Nobara Projectのウェブサイトで閲覧することができる。

 確かにNobaraはゲーマーのニーズに応えているようだが、快適に使用できるユーザーがゲーマーだけというわけではない。生産性を求められる作業には、「LibreOffice」や「InkScape」を利用できる。ウェブブラウジングには、「Firefox」がある。ゲームには、「Steam」「Wine」「ProtonPlus」「Lutris」「Host Remote Play」、GOverlayがある。

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