新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)中に評価が高まったビデオコミュニケーションサービスのZoom Video Communicationsが、ビデオ通話から(ある意味で)手を引こうとしている。
Zoomは米国時間11月25日の発表で、「人々は認識していないかもしれないが、動画によるコミュニケーションに焦点を合わせているため、当社の正式名称は『Zoom Video Communications』だ。ビデオ通話は依然として優先事項だが、将来的には『ビデオ会議をはるかに超えるもの』を目指す」と述べた。
それを受けて、Zoomは、「Video」を削除して正式な社名を「Zoom Communications」に変更した。ユーザーにとって今回の社名変更はどのような意味を持つのだろうか。
ほかのすべての企業と同様に、Zoomは人工知能(AI)の本格的な導入を進めているところだと述べている。「これまでは『あると便利』だったかもしれないものが、今では『なくてはならないもの』になっている」と同社は説明し、「Zoom AI Companion」を未来の「心臓部」と呼んだ。今のところ、ユーザーはZoom AI Companion機能で会議の概要を把握したりメッセージを作成したりできる。
将来的には、新しいAI機能を開発し続けたいとZoomは考えており、おそらく、ユーザーの仕事を正確に把握して労働時間を1日分減らせる「完全にカスタマイズ可能なデジタルツイン」さえ開発するつもりだ。それによって週4日勤務が可能になる。荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、Henry Ford氏が生産に大変革をもたらすまでは1週間の標準的な労働時間は48時間だった、とZoomは指摘している。
Zoomは今後について、午前や午後のビデオ通話だけでなく1日の労働時間全体にも焦点を当てていくようだ。同社にはすでに、会議中でも会議外でも文書を使って共同作業ができる「Zoom Docs」や、ミーティングチャットへのアクセスやホワイトボードの共有、ミーティングへの参加が可能な「Team Chat」がある。
要するに、ビデオ通話がなくなるわけではなく、Zoomは今後もこれまで通りであり続ける。ミーティングが終わる前も終わった後もコラボレーションが増すほか、あらゆるところにAIが活用されて、うまくいけば労働生活が少し楽になるのを期待しよう
提供:mikkelwilliam/Getty Images
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。