NECは、次世代データセンター向けに効率的なコンピューティングの運用管理を実現するというソフトウェア「Composable Disaggregated Infrastructure Manager」（CDIM）をオープンソースとして「GitHub」に公開した。柔軟なハードウェア構成と複雑なインフラストラクチャーの統合管理を可能にするという。
CDIMは、必要なタイミングで必要なコンピューティングリソースを柔軟かつ効率的に使用する「Composable Disaggregated Infrastructure」（CDI：構成可能な分離型インフラストラクチャー）という環境のための運用管理ソフトウェア。CDI環境の煩雑な運用管理を簡素化し、マルチベンダー環境の互換性を維持する。
CDIは、AIなど多大なコンピューティングリソースを消費しながらもリソースの変動が非常に大きいワークロードにおいて、効率的にリソース提供ができるようサーバーやストレージ、ネットワークなどのハードウェアをマルチベンダー・製品で構成しつつ、ベンダーが異なることで生じる複雑性や非効率性を排除できるよう統合的な運用管理を可能にしていくアーキテクチャーの1つになる。
NECによると、CDIMでは、管理対象システム全体のリソース数や構成されているノード数、消費電力の推移、異常の有無などを一元的に把握できるユーザーインターフェースを備える。コンピューティングリソースの接続構成は、Infrastructure as Code（IaC）で定義し、人為的ミスや高い再現性による環境の複製や管理を可能とする。
ユーザーインターフェースイメージ（出典：NEC）
ベンダーごとの差異はプラグイン機構で吸収し、ベンダーロックインを回避しながら互換性を確保するという。プラグインは使用ハードウェアに応じて必要になるため、NECはリファレンス実装のプラグインを公開。これを使ったCDIエミュレーターも公開し、現時点でCDIがない場合でもCDIMの動作を確認できる。また、プラグイン開発ガイドを公開し、これを参照してプラグインを実装できるという。
NECは、ソフトウェア構成制御によるGPUの利用効率化を目的としたCDIMの製品リリースを検討中とし、さらには、ワークロード特性に基づいて最適なコンピューティングリソースの接続を設計、反映できるフレームワーク、「OpenStack」や「Kubernetes」などの既存管理ソフトウェアとの連携などの機能強化も順次行うとしている。
