アビームコンサルティングは10月6日、製造業向けに在庫や廃棄ロスの削減、需給業務の標準化や省力化を支援するSaaS「需給クラウドサービス」の提供を開始したことを発表した。IT資産を持たずに低コスト、短期間で需給改革の土台を構築できるという。
需給クラウドサービスは、アビームの需給改革支援の実績によるノウハウに基づいた「需給テンプレート」をSaaS形式で提供する。需給テンプレートを活用して需給改革の土台となる業務の標準化、需給の見える化、業務の自動化を支援する。
効果の高い施策を第1ステップとして実施することで、需給基盤が整っていない企業にも早期に効果を創出して、改革を定着させられると言う。先に土台を構築することで、計画精度の向上や責任・権限の再配置といった需給改革の高度化を効率的に進められると説明している。
需給テンプレートは、属人的な需給業務の標準化、全社需給情報の見える化など、多くの製造業が抱える需給課題に対応する必須機能を標準で装備する。システム適合率が高く、改修規模が小さく抑えられるため、低コスト、短期間での導入が実現できるとしている。
製造業では、最近の経済状況を背景に一層のコスト削減が求められている。製造コストの削減は成功しているが、在庫削減や廃棄ロスの削減といった在庫コストの削減に成功している企業は一部に限られると見られている。
既存の海外製パッケージ導入やスクラッチ開発による需給改革は、億単位の初期投資、長期にわたる導入期間、高額な保守運用コストが必要なため負担が大きく、需給改革に踏み出せないでいる製造業も見受けられると同社では説明している。