グロービアインターナショナルが提供する「glovia.com」は、米国Xerox社の社内システムを原型とする製品であり、会計や人事ではなく、生産管理系を本流とする製造業向けパッケージだ。製造業の中でも、電機・電子、産業機器、自動車に特化しているのが大きな特長であり、生産管理系を中心とした販売系や購買系、それに伴う会計を備えた業務統合アプリケーションである。
「米国生まれ日本育ち」の拡張ERPパッケージ
歴史的には、Xerox社が経営危機に瀕したとき、復活を賭けて「生産拠点の標準化」を実現するため、1973年に開発したシステムを原型とする。当時、グローバルな生産管理システムの基盤をつくり上げたのは実に画期的なことだった。このパッケージを富士通が導入し、日本の製造業に合うよう機能拡張し、世界市場を目指した製品に育て上げた。
「当初からTelnetベースのクライアント/サーバモデルの軽いアーキテクチャが特長」と話すのは、グロービア インターナショナルのマーケティング本部ダイレクターである花田完氏だ。
花田氏は、1994年に米国MDIS (McDonnell Douglas Information Systems) に入社。今日のERP製品「glovia.com」の前身である「ChESS (チェス) 」の時代から、営業および導入コンサルティングを経験してきた。いわば、glovia.comの生き字引である。
「例えば日本にサーバを置いておき、中国にはクライアントだけを置くといった構成で使えるし、あるいは拠点ごとにサーバを置いて分散処理させることも可能だ」と花田氏。
グロービアの特長は、パッケージベンダーでありながら導入も行っている点だ。顧客に実際に使ってもらい安定稼働するまで支援する。
「ベンダーでありながらパッケージ販売だけではなく、導入支援も責任を持って展開している。お客様が使える状態になるまで、製造業を知り尽くしたコンサルタントが責任を持つ」 (花田氏)
大々的に営業活動をしていないのもユニークなところだ。
「どのパッケージにするか決めかねているお客様や、一度パッケージ導入に失敗されたお客様がglovia.comを見つけ、導入していただいたというケースも少なくない」と花田氏は話す。
生産管理の導入から運用開始までフォローするため、販売数だけを拡大しても、とても対応しきれない。確実に導入支援できる体制を確保してから確実に導入を進めていくのがグロービアのスタイルだ。
最近は生産管理パッケージの差別化が難しくなってきているが、グロービアの場合は「生産管理に関する専門性の高さ」で選ばれているという。