「ROIを武器にビジネスにコミットせよ」--ITIL著者が運用担当者にノウハウを伝授

日川佳三(編集部) 2005年08月01日 15時48分

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 運用管理体制を整備するためのノウハウを書いた書籍「ITIL」(IT Infrastructure Library)の著者で、米Computer AssociatesのITIL実践マネージャでもあるブライアン・ジョンソン(Brian Johnson)氏--。来日中のブライアン氏が7月29日、企業の運用管理体制のあり方について語った。

米Computer AssociatesでITIL実践マネージャを務めるブライアン・ジョンソン(Brian Johnson)氏

 ITILの導入(運用管理体制の整備)を成功させる秘訣としてブライアン氏は、企業トップからの支持を得ることを挙げる。「理解と支持はROI(Return On Investment)で決まる。運用管理体制を整備することで得られるリターンが何であるのかを提示するのだ。支持を勝ち取るための現実的なノウハウは、支持者に対して短期的に効果を実証することだ。すぐに効果が出る簡単なケースを実証して見せることで、信頼が生まれ、より強い支持を得られるようになる」(ブライアン氏)。

 運用管理の基本として、情報システムはビジネスをサポートするためにあるという意識を持たねばならないという点にも触れた。この上で、ビジネスの成功のためには「運用体制の整備によって得られる利点と運用体制の目標を設定しておき、企業活動に携わるすべての人が理解と目標を共有しておく必要がある」ことを強調した。「業務のフローや運用管理の自動化がITプロジェクトの最終目的になってしまってはならない」というわけだ。

 運用担当者が陥りやすい罠としてブライアン氏は、10〜20年程昔のかつての情報システムでは開発者と運用者が明確に分かれていた点を挙げて注意を促した。「開発と運用では担当者の性格が異なる。開発者はITをビジネスの視点で見る人たちであり、ITを理解しやすいものにする。一方で、かつての運用者は技術的なものの考え方をする人たちであり、理解しやすいものにするという意識は希薄だ。オペレーションが業務開発に与えるインパクトが認識されていなかったからだ」。

 2005年の現在では、運用が開発の役に立つことを理解していない人は少ない。運用によって得られた需要を開発に取り入れ、開発は運用を考えた開発を実施する。運用と開発のサイクルを上手に回すことが重要であるという認識が生まれている。ところが、現実問題としては、運用担当者によるビジネスへのコミットが薄れる場合がある。“ビジネスのサポートをしている”という意識を忘れずにいることが大切というわけだ。

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