「日本の成長率は世界一」--セールスフォース社長、日本市場の重要性を語る

藤本京子(編集部) 2005年09月14日 19時55分

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 米Salesforce.comの社長Jim Steele氏は、同社にて営業からサービス、サポート、マーケティングに至るまで、全世界のオペレーションを統括する人物だ。IBMをはじめとするIT企業で長年の経験を持つ同氏は2002年10月にSalesforce.comに入社したが、IBM時代には約3年に渡って日本での勤務も経験し、「日本は第二の故郷」と言うほど日本市場に明るい人物だ。Steele氏に、Salesforceの日本での戦略について聞いた。

--日本におけるSalesforceの現状を教えてください。

 Salesforceが日本にオフィスを設立したのは2000年4月です。2004年に宇陀栄次氏を日本法人の社長として迎え入れて以来、パートナーシップの拡大に注力しており、順調に業績を伸ばしています。パートナーシップモデルは、これまで他国ではあまり実施していませんでしたが、日本での成功を見てこのモデルがいかに重要であるかがわかりました。われわれはまだ小さい企業ですから、パートナーシップが非常に重要だと考えています。

「日本の成長率は世界一」と話す米Salesforce.comのJim Steele氏

 日本の企業は、米国から新しいテクノロジーがやって来た場合、導入に対して非常に慎重です。しかし今では、われわれの提供するオンデマンドモデルが受け入れらています。ソフトウェアをサービスとして提供することが未来の形だと認められつつあるのです。

 私がSalesforceに入社した2002年には、Salesforceの全ビジネスのうち、米国外でのビジネスは5%程度でした。それが現在では20%を超えています。地域ごとの売上は公表できませんが、日本はアメリカ、イギリスに次いで大きな市場となっており、昨年の成長率だけを見ると他のどの国にも負けません。今後も日本での販売を拡大するために、営業やサポート人員などを積極的に採用する予定です。

--KDDIとの提携で、モバイル版のサービスを始めましたね。日本の他の携帯電話キャリアと組んで同様のサービスを提供する予定はないのですか?

 エンタープライズアプリケーションを携帯電話に導入することは、世界中の携帯電話キャリアが望んでいることだと思います。それは、音声通話で利益を得るビジネスモデルがすでに成熟しきっているためです。モバイル端末にデータアプリケーションを組み込めば、コンシューマービジネスだけでなくエンタープライズビジネスに乗り込むチャンスにつながります。

 KDDIのサービスは現在テスト段階ですが、すでに50企業にて2000人程度のユーザーが利用しています。他のどの企業と交渉しているかはお話しできませんが、多くの携帯電話キャリアが端末にSalesforceを搭載したいと考えています。日本企業を含め、多くの企業と話を進めています。

--2005年末にリリース予定のWinter '06バージョンでは、モバイル機能が強化されるとのことですが、具体的にどうなるのでしょう。

 モバイルソリューションプロバイダのVettroやSendiaなどが取り組んでいることとして、モバイル端末用にユーザーインターフェースを改善することがあります。また、Winter '06で強化されるモバイル機能は、携帯電話に限らずモバイルデバイス全体を対象としており、ノートPCなどのオフライン機能も強化する予定です。ユーザーが必ずしもオンラインでSalesforceにアクセスできる状態にあるとは限りませんからね。

--ところで、ライバルのSiebel SystemsがOracleに買収されましたが、この買収をどう見ていますか。

 今回の買収は、日本での影響はそれほど大きくないかもしれません。というのも、シーベルが日本であまり受け入れられていたように思えないからです。日本企業は、独自のCRMを採用するケースが多いですから。Siebelも、一部の大企業には採用されていたようですが、それほど浸透してはいませんでした。実際、採用している企業の数だけを見ると、Salesforceを採用している企業数の方がSiebelを採用している企業より多いはずです。

--SiebelがOracleの一部となった今、Salesforceの一番のライバルはどの企業なのでしょう?

 長年Siebelが一番のライバルだと思っていましたから、答えに困りますね。SAPやOracleが次のライバルといえるかもしれません。ただ、彼らとわれわれの違いは、固定電話と携帯電話の違いのようなものです。彼らは伝統的な固定電話で勝負を続けていて、われわれは新しい携帯電話ビジネスに取り組んでいる、と例えればわかりやすいでしょうか。

 SAPやOracleは、オンデマンドモデルの重要性に気づいているものの、今でも最終的にはソフトウェアを購入してもらいたいと考えています。顧客がこうしたライセンスモデルから離れつつあるにも関わらずです。つまり、SAPやOracleのようにソフトウェアを販売する企業と、オンデマンドでソフトウェアをサービスとして提供するわれわれのような企業が競争している構図が描かれているといえるでしょう。

 彼らにとって、オンデマンドビジネスの割合はほんのわずかに過ぎません。しかも、OracleはSiebelのオンデマンドCRMを抹消してしまう可能性があります。それは、同製品がIBMのDB2上で稼動し、コロラド州のIBMデータセンターを利用しているためです。OracleがIBMの製品やサービスにお金を支払い続けるとは考えにくいですからね。すぐに抹消してしまうとすればまだいい方で、製品アップグレードなどの投資は行わず、自然になくなっていくのを待つ状況になるかもしれません。こうなると最悪ですね。

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