富士通は5月17日、内部統制強化支援ソリューションを発表した。内部統制強化に関するコンサルティングサービスや業種テンプレートに加え、関連ハードウェア、ミドルウェア、アウトソーシングサービス、教育・研修サービスなどを体系化して提供する。
主なサービス内容のひとつに、「内部統制強化コンサルティングサービス」がある。このサービスは、同社の米国関連会社Fujitsu Consultingと、そのFujitsu Consultingが2006年2月に買収したカナダのGIMのノウハウを活用する。GIMは、リスクマネジメントを専門とするコンサルティング会社で、「米国でのSOX法対応の実績も豊富だ」と富士通 経営執行役常務 プロフェッショナルサポートビジネスグループ長の平田宏通氏は話す。

このサービスでは、プロジェクト管理テンプレートや統制範囲決定支援テンプレートなど、内部統制全般を支援するツールとテンプレートを用いたサービスをはじめ、内部統制のための文書化支援、有効性評価支援、不備改善・統制強化などのコンサルティングを実施する。
また、「内部統制ライフサイクルマネージメントソリューション for SOX」と呼ばれるサービスも提供する。内部統制のプロジェクトライフサイクルを一貫して支援するITツールを提供し、システムの構築から運用まで、リスクコントロールの強化や組織変更、プロセス変更などに対応する。
ほかにも、「業務統制支援ソリューション」や「IT全般統制支援ソリューション」が用意されている。業務統制支援では、主に統合業務パッケージ「GLOVIA」において各業務システムと会計データを連携する際、完全論理仕訳の仕組みにより、業務プロセスがルール通りに遂行され、正しく会計情報につながっていることを確認する。また取引パターンの特性に応じた監査支援機能も提供する予定だ。IT全般統制支援においては、不備改善段階の課題抽出からシステム構築まで、IT全般統制の全領域にわたって幅広いITソリューションを提供する。
さらに、「教育・研修サービス」として、内部統制対応基礎から応用コースまで、内部統制強化に必要な知識とノウハウの習得を支援する。8月には、顧客を対象として、実務に直結する教育・研修を行うための「内部統制研修センター(仮称)」を開設する予定だ。
富士通では、自らの法令遵守や資産保全、業務プロセス改善の取り組みとして、2005年6月に「Project Eagle」を立ち上げ、同10月より全社プロジェクトとして活動を開始している。国内外の関連会社72社を対象とし、プロジェクトの総延べ人数は約300名という大規模プロジェクトだ。富士通 コンサルティング事業本部 プリンシパルコンサルタントの小村元氏は、「こうした実戦と経験を基に、ソリューションをリファレンスモデルとして提供し、顧客の内部統制の改善と強化に貢献したい」と述べた。