オラクル、中堅企業向け業務アプリケーション事業戦略を発表--年内に3倍成長を狙う

藤本京子(編集部) 2006年07月24日 17時05分

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中堅企業向けビジネスについて語るOracleのDick Wolven氏 中堅企業向けビジネスについて語るOracleのDick Wolven氏

 日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズは7月24日、中堅企業向けアプリケーションビジネスの新戦略を発表した。Oracle 日本アプリケーションビジネス担当 シニアバイスプレジデントの Dick Wolven氏は、中堅企業向け市場こそERPビジネスの拡大が期待できる領域だとして、「オラクルはもはやただのエンタープライズERPベンダーではない。高付加価値を提供するアプリケーションプロバイダとしてもっとも身近なソフトウェア企業となることを目指す」と意気込みを述べた。

 オラクルでは、年商100億円から年商1000億円の企業を中堅企業として位置付けている。こうした企業の課題としてWolven氏は、競合企業のグローバル化やサプライチェーンのオフショア化に対応しなくてはならないこと、コンプライアンス対応が迫られていること、予算やITスタッフが限られていること、IT基盤が分断化していることなどを挙げる。こうした課題に対し、「オラクルでは1つのパッケージであらゆる業務に対応でき、業務の変化にあわせて柔軟な展開ができ、しかも経済的に優れたソフトウェアを提供する」とWolven氏は提案している。

 そのためにオラクルが打ち出した戦略は、製品およびソリューションの拡充や、組織体制の強化、パートナーとの協業強化などだ。

 まず製品戦略として、オラクルは同日、中堅企業向け統合業務アプリケーション「JD Edwards EnterpriseOne」の最新版「JD Edwards EnterpriseOne 8.12」を発表した。これまでJD Edwards EnterpriseOneは、オラクルのシステム基盤製品群「Oracle Fusion Middleware」とは別に提供されていたが、今回のバージョンよりFusion Middlewareとバンドルでの提供も開始する。

 最新版は、セールスフォースオートメーション機能やサービス管理機能が強化された。また、短期で定額制による導入が可能なEnterpriseOneの特別導入パッケージ「JD Edwards EnterpriseOne Rapid Start」において、これまでの「見込生産プロセス対応版」に加え、「個別受注生産プロセス対応版」が追加された。

 オラクルでは、同じく中堅企業向けのテンプレートパッケージとして「Oracle NeO」を提供しているが、日本オラクルインフォメーションシステムズ セールスコンサルティング シニアマネジャー 佐藤幸樹氏は、Oracle NeOとRapid Startとの違いについて、「NeOは、建設業界など特定の業界において必要となる特有の業務内容にフォーカスしたソリューションをパートナーが提供しやすくするためのもの。一方Rapid Startは、業務横断型で包括的な業務プロセスを統合したい場合に提供する」としている。

 Rapid Startの提供価格は、年商100億円規模の企業がカスタマイズされたアプリケーションをそのまま導入する場合、導入費やライセンス料を含めて約7500万円になる。「Rapid Startを利用しない場合、この価格の約3倍になる」と佐藤氏は説明する。

 組織体制の強化としては、営業やプリセールス技術者、産業別の専門技術者、営業推進において、中堅企業向けビジネスの専任組織を設置する。また、電話やインターネットでオラクルが直接質問や製品説明に対応する「Oracle Direct」において、「Oracle Applications」専任の部隊を新設する。

 パートナー戦略としては、JD Edwards EnterpriseOneの既存パートナーに加え、販売パートナーや導入パートナーの開拓と増強を進める。また、パートナー向けの育成支援プログラムを展開し、テクニカル定例セミナーやビジネスアップデートセミナーを拡充、パートナーの営業や技術者のスキル向上を支援する。

 こうした戦略を推進することで、オラクルでは「年内に中堅企業向けアプリケーションビジネスを3倍に成長させる」(日本オラクルインフォメーションシステムズ 代表取締役 村上智氏)としている。

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