8月7日、Sybaseがネバダ州ラスベガスで開催している「Sybase TechWave 2006」カンファレンスの基調講演の後半に、Sybase iAnywhere社長のTerry Stepien氏が登場し、「フロントラインで働く人たちをITシステムで支援することがビジネスの成功を推進させる」ことを強調した。
「Sybaseにとって“モバイル分野”は注力する主要な分野だ」とStepien氏。そこで同氏は、今回のカンファレンスで、モバイル分野におけるユーザー経験をさらに向上させることを目的とした2つの新製品を発表した。ひとつが「SQL Anywhere 10」であり、もうひとつが「Information Anywhere Suite」だ。
Stepien氏は、「SQL Anywhere 10は、Sybase iAnywhereにとって主力製品となるもの。パフォーマンスやデータ保護、開発生産性の向上など、200以上の新しい機能を搭載していることはもちろん、500を超える主要顧客やパートナーが大規模なベータプログラムを行い、これまでの製品の中でも最も高い品質を実現した」と胸を張る。
一方、Information Anywhere SuiteについてStepien氏は、「デバイス管理やセキュリティ、メール、PIM(Personal Information Manager)などのアプリケーションをひとつのアーキテクチャで統合したスイート製品。安全な環境で利用できるモバイルアプリケーションを容易に構築することができる」と話している。
今回のカンファレンスでStepien氏はホスト役に徹し、具体的な製品の紹介については、それぞれの製品担当者にまかせている。
SQL Anywhereは他社にないユニークな製品
エンジニアリング担当バイスプレジデント、David Neudoerffer氏は、「SQL Anywhereはユニークな製品。サーバからデスクトップ、モバイル、リモートオフィスアプリケーションまで、どのようなモバイル環境にでも組み込むことができる。特に、SQL Anywhere 10は、15年の歴史の中で最も重要なリリースになる」と話す。
「最新バージョンでは、フロントライン環境のためのSQL Anywhereを次のレベルへと導くための4つの重要な領域が強化されている」とNeudoerffer氏。その4つの領域とは、パフォーマンス、データ保護、開発生産性、革新的なデータ管理だ。
まず、パフォーマンスの強化では、急激なデータの増大に対応できる仕組みを提供。たとえば、100以上のデバイスや1000ユーザー以上を取り扱える機能が搭載されている。また、データ保護の強化では、データの漏洩やシステムの障害など、増え続けるデータの損失から高いレベルでデータを保護できる機能が搭載されている。
さらに、新しいツールの提供や拡張された開発環境、分析機能、デバッグ機能などにより、開発生産性はもちろん、ROI(投資利益率)の向上も期待できる。最後に、革新的なデータ管理では、データの統合やモバイルWebサービス開発ツールなど、新しいアーキテクチャの採用により、より効果的で大量のデータ交換や同期が可能になっている。
デモでは、SQL Anywhere 10が搭載された販売アプリケーションから行った注文が、バックエンドのデータベース「Sybase Adaptive Server Enterprise 15」に同期される仕組みが紹介された。
「SQL Anywhere 10により、基本的なデータ管理、同期、セキュリティ、および統合などの機能をフロントライン環境に実装するための複雑性を解消するユニークでより高い水準のアーキテクチャを開発者に提供することができる」(Neudoerffer氏)