凸版印刷は8月25日、フルデジタル方式の新たなコンピュータ自動組版システム(CTS:Computer Typesetting System)を発表した。DTPソフト「Adobe InDesign CS2」を標準プラットフォームとしている。同CTSは、凸版印刷のグループ工場で2006年8月より本格的に稼働開始する。
新開発のCTSは、凸版印刷が独自に開発した出版コンテンツ向けXMLフォーマットと、Adobe InDesign CS2との連携を可能とした。InDesign形式ドキュメントとXMLデータを一体化し、InDesign形式ドキュメントからの高精度テキスト出力を完全に自動できるため、「印刷物、ウェブ、DVD、携帯情報端末などに対するコンテンツのクロスメディア展開が容易に行える」(凸版印刷)。情報誌1000ページの処理に必要な時間は、約1時間。
凸版印刷は、コンピュータ文字や組版に関するソフトを開発し、Adobe InDesign CS2用プラグインとして組み込み可能とした。これにより、高度な組版を実現するとともに、大量ページにわたる索引/目次の自動生成、文章量変更にともなう挿絵挿入位置の自動変更など、さまざまな作業を完全に自動化できたという。
さらに、凸版印刷は、同社に権利のある日本語フォント「凸版フォント」をOpenTypeフォントに変換し、同CTS上で順次対応していく。その結果、従来のCTSで使われていたフォントが、すべて使用可能となる。
凸版印刷では、同CTSにより今年度15億円の売上高を目指す。