NECは9月19日、複数のUHF帯対応無線ICタグ(RFID)を一括読み取り可能なRFID読み取りゲートシステムを発表した。2006年中に製品化し、国内外向けに出荷を開始する予定。価格は800万円からになると見込む。
NECの開発したゲートシステムは、読み取り用電波を直接RFIDタグに向けて発射するのではなく、いったんゲート側面にある反射板にあて、反射した電波をほぼ垂直方向からRFIDにあてる構造とした。その結果、一括読み取り精度を大幅に高めるとともに、隣接するラインを流れるRFIDの誤読み取りなどを低減できたという。液体や金属が入った梱包箱の表面に貼付されたRFIDも、高い精度で読み取れた。
読み取りゲート内側の両側面に反射板を設置しているため、荷台の側面にあてられた電波は反射板のあいだを行き来し、ゲート外部へは漏れにくい。また、電波を発射するアンテナがゲート上部にあり、そこからゲート側面を経由して電波が飛ぶため、アンテナからゲート外部までの距離が通常のゲートに比べ2倍以上長くなり、ゲート外部に漏れる電波も大幅に減らせる。これにより、隣接するラインを流れるRFIDタグの誤読み取りを防ぐ。
NECでは、物流/製造ラインの検品システムやサプライチェーンにおける在庫管理システムなどに向けた営業活動を国内外で展開し、今後5年間で約200億円の販売を見込んでいる。