今年8月には第一段階のサービスリリースを予定
また、MIJSの技術部会が議論を進める中で、依然として顧客の立場で不都合が生じると考えられたのが、各製品内の存在する独自インフラの問題だった。それが3つ目に掲げた、「横断的機能の共通インフラ化」というテーマだ。
会計や販売、生産、人事/給与製品などは、その基本機能のほかに一般的なインフラ機能(帳票、ジョブ、ID管理、ワークフローなど)を抱えている。であるならば、それらの機能をアプリケーションから独立させて共通モジュール化し、機能インフラとして共用すれば、各社のアプリケーションを組み合わせて、ひとつのユーザーインターフェースで利用できるようになるのではないか、というのが彼らの考えだ。
次に梅田氏は、MIJSの技術部会におけるロードマップを明らかにした。これまで示した3つのテーマごとにワーキングチームが活動する中、各テーマの基本方針は今年1月ほぼで終了し、2月からは個別の設計/開発フェーズへと移行している段階だ。そして、テストおよび第一段階のサービスリリース目標を、今年の8月に予定している。
自分たちがやらねば日本のIT業界の地位は変わらない
「コンソーシアムが成功するためには、ある程度のノウハウの提示が大切な条件」と語る梅田氏。特にマスタなど、パッケージベンダーにとっては重要なノウハウを開示することには、当初、各社でかなりの抵抗感があった。
「しかし、そんな都合を言い合っては、海外展開などは永遠に不可能になってしまう。その点、参加各社すぐに理解を示し、オープンな関係でディスカッションを進められている」(梅田氏)
最後に梅田氏は、「個性的な企業が参加するコンソーシアムのため、MIJSの行く先を危ぶむ声も聞かれる。しかし、誰かが実行に移さない限り、日本のIT業界の地位は変わらない。それを待つのではなく、自分たちが立ち上がるのだという覚悟で参集したのがMIJSだ。この取り組みをぜひ皆さんにも応援していただきたい」と語り、講演を終了した。