2月1日に開催された「MIJSカンファレンス Japan 2007」の「Web2.0における営業可視化ソリューション」をテーマとしたセッションにソフトブレーン 常務執行役員の秋山真咲氏が登壇。同社のSFA(セールスフォースオートメーション)ソフト「eセールスマネージャー」とAjax技術、OLAPツール、ERP、ポータル型グループウェアとの連携によって実現できる世界を語り、活用事例と現場での活用イメージを紹介した。
SFAでは貢献者としてのユーザー体験が必要
秋山氏は、まずWeb2.0はリッチなユーザー体験にあると定義。そのためにソフトブレーンでは、MIJS参加企業でWeb2.0のコンポーネント技術であるAjaxを保有するNOWSと連携していると述べた。
「リッチなユーザー体験は、貢献者としてのユーザー体験、ユーザー参加、分散性など生み出すが、SFAの世界では特に貢献者としてのユーザー体験、つまりユーザーサイドが経営者に協力してデータを提供することが必要だ」(秋山氏)
一方、可視化(見える化)について同氏は、ローランドベルガーの遠藤功氏(『見える化――強い企業をつくる「見える」仕組み』(東洋経済新報社)の著者)の言葉を引用し、「問題の見える化を軸に考えることが重要。“現状の棚卸しから始める”“見せたくないもの、見せられないものほど見える化する”“見えるもの、見せるものを絞り込む”“鮮度/タイミングを重視する”“分かりやすくシンプルに”といったことがポイントだ」と語る。
誰がやっても同じ表現になるルール作りが必要
例えばパン工場では、おいしいパンを作るために、「材料の配合→こねる→発酵→焼く」というプロセスの改善に当たり前のように取り組んでいる。良い結果(目的)を達成するために、工程を設計(モデル化)し、何をどうしたかを正確に把握(計る化/見える化)し、求める成果が得られるまで繰り返し改善(プロセスマネジメント)に取り組んでいるのである。
ところが、営業については、引合に対する「提案→見積→検討→稟議→売上」というプロセスが見えない企業が非常に多い。「これらの各プロセスに“窓”を開け、見える化しましょう、営業プロセスをホワイトボックス化しましょうというのがわれわれの提案だ」(秋山氏)
また、同氏は、営業する側の販売プロセスと顧客側の購買プロセスとでは見方が異なり、それが「営業プロセスが見えないことに起因している」と指摘する。つまり、初回面談で営業する側は自社の強みを伝えたつもりでも、顧客側では理解と好感獲得、興味と共感につながっていかないことがある。
「日報のような営業現場からの文章による報告が、人によって表現方法がまちまちになってはいないだろうか? “見える”ためには、誰がやっても同じ表現になるようにするためのルール(仕組み)が必要だ」(秋山氏)