(1)のAdaptive Infrastructureは、状況の変化に応じて、システムの処理能力を必要なときに必要な業務に割り振るというものを目指している。これは、同社がこれまでに提唱し続けてきた概念である「Adaptive Enterprise」を継承していると言える。この層には、技術テーマとして仮想化やシステム運用の自動化などが含まれており、事業継続管理(Business Contunity Management)や災害対策(Disaster Recovery)、サーバ統合などのテーマも含まれる。
(2)のBTOは、アプリケーションの戦略・開発・運用をライフサイクル管理することでビジネスリスクを回避しようというものだ。この層では、2007年2月に統合された旧マーキュリー製品群を中心に、システムが設計通りに構築されているか、運用開始後に要求されたビジネスサービスレベルを提供できているかなどを管理して、ビジネスのリスクを最小化するとしている。
(3)のBIOは、ビジネスでの意思決定をより迅速にするために、企業内に分散する情報を統合・分析するというものだ。この層には、ビジネスインテリジェンス(BI)、メールアーカイブなどを含む情報ライフサイクル管理が含まれることになる。
このBusiness Technologyの中のBIOを実現するためのものとして、同日に発表されたのが、データウェアハウス(DWH)プラットフォーム「NP Neoviewプラットフォーム」だ。DWHは、BIOの中心でもあるBIを利用する際には欠かすことのできない重要な基盤である。
同製品は、サーバ製品「HP Integrity サーバ rx2620」とストレージ製品「HP StorageWorks」をベースに、さらに無停止サーバ製品「HP NonStop」に搭載されているOSとデータベース管理システム(RDBMS)をDWH向けにチューニングしたものを組み合わせたものである。なお、Neoviewは、データをロード/アンロードするためのサーバとして「HP ProLiant DL580」を利用できるようになっている。
Neoviewは、最大256CPUでの超並列処理が可能となっており、複雑なアドホッククエリとバッチ処理的な定型クエリなど、異なった複数のユーザーからの同時アクセスに対応することができるという。
エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部NonStopサーバ製品本部で本部長を務める浅野勉氏は、Neoviewの特徴として「メンテナンスがとてもラクである」ことも挙げている。
「Neoviewは、DWH用のプラットフォームとして、ハードとソフトの両面で事前にコンフィグレーションやインテグレーション、検証が完了している。また、DBのチューニングが不要になっている。こうしたことからNeoviewは、“アプライアンス”ライクな簡便性を持っていると言える」(浅野氏)
同製品の価格は、先に挙げたハードやOS、RDBMSに加えて、保守管理モニタ用のシステムコンソール、DB管理用ツールなどのソフトのオールインワンパッケージで1億6000万円から、となっている。