日本CAは6月29日、CAのビジネスサービス最適化担当 ITサービスマネジメント&ITガバナンスエバンジェリストであるRobert Stroud氏の来日にあわせ、2007年5月30日に発表された「ITIL(IT Infrastructure Library)バージョン3(ITIL V3)」の概要を紹介する説明会を開催。バージョン2とバージョン3の違いや、CAのITIL準拠ソリューションなどを紹介した。
ITILは、1989年に英国商務省(Office of Government Commerce:OGC)によって作成され、管理されているITサービス管理のためのベストプラクティスを体系化したもの。ITIL V3の仕様は、次の5冊の書籍にまとめられており、現在、日本語化も行われている。
- Service Strategy
- Service Design
- Service Transition
- Service Operation
- Continual Service Improvement
ITIL V3では、Service Strategyを中核に、Service Design、Service TransitionおよびService Operationの3つのサービスで構成される一連のサイクルが構成される。さらにその周りをContinual Service Improvementにより取り囲むというリフサイクル型のアプローチにより構成されている。
Stroud氏は、「ビジネスにおけるITの活用は、業務の自動化や情報の管理の段階を経て、ビジネスの変革のためのIT活用へと進化している。もはやITが関与しないビジネスは存在せず、ビジネスとITを連携するだけでは不十分。より密に統合させることが必要になる」と話す。そのための仕様が拡張されたのがITIL V3だ。
「ITIL V3は、迅速な実現、迅速な価値の提供、そして最終的にITとビジネスを統合するための基盤となる。CAは、顧客がバージョン2を実装しても、バージョン3を実装しても将来にわたり支援する。ITILの自動化が継続的な目標となる」(Stroud氏)
CAでは、ITILをエンタープライズITマネージメント(EITM)でサポート。EITMは、ビジネスの価値を最大化することを目的に、ITマネージメントを統合し、簡略化するためのCAのビジョンとなる。CAではEITMに基づき、ITにより効果的にガバナンスを実践し、マネージメントを強化しながらセキュリティを確保するためのソリューションを提供する。
Stroud氏は、「バージョン3の登場により、ITILがようやくCAの技術レベルに追いついた」と話している。