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CPUの仮想化サポート技術は一体何をサポートしているのか--仮想化技術をひも解く(5) - (page 2)

谷川耕一

2007-08-01 08:00

 「Intel-VT以前のCPUは複数のOSを原則的にサポートしておらず、これが仮想化実装における一番の問題だった。そのため、実現のアプローチ方法にもよるが、仮想化には何らかの制限があった。例えば、パフォーマンスが落ちたり、64ビットのゲストOSがインストールできなかったりといったことだ。ある意味、ソフトウェアだけで仮想化に対応することは、グレーゾーンだったとも言える」

 インテル マーケティング本部デジタル・エンタープライズ・グループ サーバ・プラットフォーム・マーケティング部 テクノロジー・プロダクト・マーケティング・エンジニアの岩本成文氏は、プロセッサの仮想化サポート技術が存在しなかった時代のソフトウェアによる仮想化の実現は、正式なものとは言えなかったと説明する。これに対し、特にエンタープライズ領域では1つのマシンで複数のOSを動かすことが無視できない状況となり、Intelでは複数のOSを動かすアーキテクチャについて2000年初めから考え、新しいアーキテクチャとして定義した。

 仮想化サポート技術を搭載したプロセッサは、1台のマシン上で複数のOSが動くことを前提としており、ゲストOSを効率的に動かすための新たな動作モードや仮想化を実現するための命令セットなどが追加されている。こうした技術で、OSが使用するメモリ空間などをそれぞれのゲストOS用に分割するほか、リソースの切り替えなどの制御をプロセッサ内部で実行し、性能を向上させている。

 「AMD-Vでは、ゲストモードとホストモードを用意している。この2つを切り替えて仮想化を実現するが、この切り替えを高速化するためのメモリ管理機能も提供している。また、ゲストOSは通常、(自分がマシン上で唯一のOSだと思い込んでいるため)プロセッサに対しそれぞれに特権命令を発する。ソフトウェアの仮想化では、それを制御するためゲストOSを改変していたが、プロセッサに仮想化サポート機能を搭載すればゲストOSの特権命令をプロセッサが判断できるのでゲストOSの改変が必要なくなる。これは大きなメリットだ」

 日本AMD グローバルソリューションチーム マネージャーの岡野浩史氏は、プロセッサの仮想化サポート技術のメリットをこのように説明する。上記のようなメリットは、Intel、AMD両社で実装方法が異なり、幾分かの機能的、性能的な差はあるものの、双方ともに実現されているものだ。ただし当然ながら、これらのプロセッサが提供する仮想化サポート技術を、ハイパーバイザーなどの仮想化ソフトウェアが利用するようになっていなければ、メリットを享受することはできない。

IntelとAMDの違い

 IntelとAMDの仮想化サポート技術は、細かく見ればさまざまな違いがある。しかし、仮想サーバを利用するユーザーはあまりその違いを実感できないかもしれない。双方の実装で得意、不得意もあり、処理性能の違いも発生するが、仮想サーバで動かすアプリケーション処理の違いや、CPU以外のハードウェアの違いなどでも仮想サーバの処理性能が大きく変わる場合もあり、プロセッサの仮想化サポート技術の違いだけで性能差を議論してもあまり意味はないだろう。

 両社の仮想化に対するソリューションの違いとして、AMDでは仮想化サポートの技術とセキュリティを1つにしている点を挙げられる。「Virtualization+Security」がAMD-Vだと言うのだ。

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