Sybaseが8月6日〜10日の5日間、ネバダ州ラスベガスで開催している「Sybase TechWave 2007」カンファレンスでは、同社のビジョンである「Unwired Enterprise」の実現を加速させる新しいアーキテクチャがSybaseの会長、社長兼CEO(最高経営責任者)であるJohn S. Chen氏から発表された。
Chen氏に続き、基調講演に登場した同社のCMO(最高マーケティング責任者)でワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるDr. Raj Nathan氏は、新しいアーキテクチャの詳細について紹介した。
Nathan氏は、「機動性の高いエンタープライズシステムの実現は、もはや疑う時期ではない。どうやって、どれだけ早く実現するかが重要な時期にきている。トラディショナルなアプリケーションとモバイルアプリケーションが融合し、統合アプリケーションに進化する動きは確実に始まっている」と話す。
この進化を牽引しているのは、高速なネットワーク環境の登場やバッテリーの長寿命化、堅牢なモバイルデバイス用OSの登場、ブログやWikiなど、コンシューマ側から火がついたテクノロジのエンタープライズ分野への採用、さらに強力なデバイスの爆発的な普及などだ。
「登場した当時のモバイルデバイスは、PIM(Personal Information Manager)としてメールやスケジュールの確認くらいにしか使えなかった。しかし、営業や製造現場などでも利用されるようになり、現在では複雑なアプリケーションやビジネスプロセスの実行など、より戦略的な場面で利用されるようになっている」(Nathan氏)
こうした現状からモバイルアプリケーションプラットフォームの必要性が高まっており、チャレンジの繰り返しから生まれたのが、Unwired Enterpriseを加速させる次世代アーキテクチャだった。
新しいアーキテクチャは、データサービス、モバイルミドルウェアサービス、デバイスサービス、統合アプリケーション開発ツール、管理コンソールで構成され、メッセージングサービスを経由して、構造化データから非構造化データまで、さまざまなデータソースにあらゆるデバイスからアクセスすることを可能にする。
データサービスでは、エンタープライズデータの高速なアクセスを可能にするマルチノードの分散キャッシング機能を提供。SQLやXMLなどによる分散クエリにより、構造化データから半構造化データ、非構造化データまで、異種混合のデータソース管理を容易にする。