VMwareは9月11日、仮想化をテーマにしたイベント「VMWorld 2007」を米国サンフランシスコにて開幕した。VMwareは、このイベントの直前にサービスコンソールを省いたハイパーバイザー型仮想化ソフト「VMware ESX Server 3i」を発表したばかり(関連記事 )。基調講演でも同社 社長兼CEOのDiane Greene氏はこの製品を中心に紹介した。
ESX Server 3iは、従来のESX Serverから管理コンソールを省いたものだ。コンソールをなくすことで、ESXのサイズを98%削減でき、32Mバイトというコンパクトなハイパーバイザーを実現した。イベント会場では、USBメモリに入った3iが参加者に配られた。
Greene氏は、「32Mバイトしかないため、フラッシュメモリの中に入れて持ち運び、そのままサーバに入れてすぐに仮想化環境が提供できる。サービスコンソールがないため、セキュリティも高く管理も容易だ」とアピールした。
3iは、サーバベンダーが各社のサーバに組み込んだ状態で出荷することになる。2007年内にも3iを搭載したサーバがリリースされる予定で、Dellをはじめ、IBM、Hewlett-Packard、Fujitsu-Siemens、NECなどが3i搭載サーバを提供するという。サーバに組み込まれた形のみならず、VMwareでは3iのダウンロード販売も予定している。
基調講演の会場では、3i搭載サーバを最初に出荷する予定のDellがデモを行った。「3iの設定は非常に簡単で、社長やCEOでも仮想化環境が作れる」と話し、Greene氏に仮想化の設定を促した。実際報道関係者の中には、配布されたUSBメモリ型3iを使って、デスクトップ上でESXの仮想化環境を数分で実現する者もいた。
Greene氏は、「今後ハードウェアは仮想化環境が整った状態で出荷されるケースがますます増えていくだろう。仮想化でインフラをダイナミックに変化させ、自動的にディザスタ管理ができるようになる。そして、データセンター自動化につながっていくのだ」と述べた。