マイクロソフトと独立行政法人国立高等専門学校機構は、「全国高専キャラバン」を2007年10月4日から2008年3月末まで実施する。10月4日には、同キャラバンのスタートにあたり、東京都八王子市の国立東京工業高等専門学校で出発式が行われた。
全国高専キャラバンは、学生のITに対する関心を高め、理解を促進する施策と位置づけられ、ソフトウェアの専門家が高専のキャリア教育の一環として、全国の高等専門学校を訪問。ソフトウェア業界の動向と最新技術について講演を行うというもの。
マイクロソフトデベロッパー&プラットフォーム統括本部アカデミック教育本部本部長の冨沢高明氏は、「当社では、教育分野に対して、テクノロジーを用いて教育に携わる人々の可能性を最大限に引き出すための教育環境整備、研究機関による研究開発支援、人材育成などに取り組んでいる。今回のキャラバンは、早期体験重視型教育および早期創造性教育を特色とする高専において、最新IT技術を見て、触れる体験を通じて、IT技術に対する学生の興味とモチベーションの向上を目指すとともに、学生が工夫や試行錯誤を行い、より新たな価値を生み出す面白さ、好奇心の醸成を図りたい。キャラバンを通じて、スケールを広げた取り組みが可能になる」とした。
マイクロソフトでは、このキャラバンのために専用車を用意。3人の社員が交互に対応しつつ全国を巡り、最新テクノロジセミナーのほか、マイクロソフトが主催している世界最大のITコンテスト「Imagine Cup」の紹介、交流会を通じた情報交換などを行う。セミナーおよび交流会は、1時間から3時間を予定。1校あたり100〜120人の参加を予定しているという。
「交流会では、技術に関する情報提供だけでなく、業界動向や会社の状況なども伝えていきたい」(冨沢氏)
一方、独立行政法人国立高等専門学校機構理事の小田公彦氏は、「マイクロソフトの人材育成への取り組みと、高専の利益が一致した。マイクロソフトが持つITに関する最先端技術や、広報・普及促進に関わる能力を活用できるほか、産学官による共同連携事業のひとつにもなる。高専では、グローバリゼーションに対応した国際競争力を持つ人材の育成が課題となっており、この点でも効果を期待している」とした。
10月4日に実施された出発式後には、10月6、7日に開催される全国高専プログラミングコンテストの会場となる津山高専を訪問。その後、全国63校の高等専門学校のうち、30都道府県約40校を期間中に訪問。約5000人の学生の参加を予定している。10月4日時点で、すでに36校からの申し込みがあるという。