MindManagerで「見える化」実践! スマートなプロジェクト管理(2)--情報ストレスから解放されよう! - (page 2)

渡邉安夫(シンプル・ビジョン)

2007-11-05 08:00

「プロジェクトの目的」は何か

 Aくんは、プロジェクトの全体像を明快に描き出すべく、イベントに関する様々な情報を集め整理していたが、現在わかっている範囲の情報が集まったところで、ふと素朴な疑問が頭に浮かんだ。

「ところで我が社は、何のためにこのイベントに参加するんだろう?」

 冷静に考えてみると、上司からプロジェクトを任された時は、「君にすべて任せる」と言われただけで、それ以外の詳しい説明を一切受けていなかったのだ。そこで彼は、上司にもう一度イベント出展の理由や狙いを、直接聞いてみることにした。

A君:部長、例のイベントプロジェクトの件で少し時間をいただけますか?

上司:お〜A君じゃないか! どうかね、順調に準備は進んでいるかい?

A君:実は、このイベントに参加する理由や目的を詳しくお聞きしていなかったので……今日はそれを教えていただこうかと。

上司:このイベントに参加する理由か……いろいろあるんだけどね。このイベントはビジネスマッチングといって様々な業種の企業が交流を図れる場なんだ。言ってみれば企業同士のお見合いというところかな。そろそろ我が社も強みを生かした異分野への進出を考えたいと思ってね。それに商品やサービスの販路の拡大も必要だし、そのためには、相互に協力できる戦略的パートナーの存在が非常に重要になってくる。それと……。

A君:あ! 部長ちょっと待ってもらえますか。メモがうまくとれなかったので……もう一度お願いします!

上司:あ〜悪いがA君、私はこれから会議に出席しなきゃいけないので後は先輩に話を聞いてみてくれ。

A君:え〜、あ〜、はい。分かりました……。

 A君は、話の途中で部長に逃げられしまい、すっかり困り果ててしまいました。そこへ、ちょうど先輩が通りがかって声をかけてきました。

先輩:A君、どうしたんだい? こんなところでため息なんかついて。

A君:あ、先輩。ちょうどよかった。今先輩のところへ相談にいこうかと……。実は今度のイベントの参加理由や狙いを部長に聞きたかったんですけど、途中で逃げられちゃいました。

先輩:あはは。部長は忙しいからね。ちゃんとアポとっておかなきゃダメじゃないか。

A君:そうですね。これからは気をつけます。ところで先輩、このイベント出展の理由をご存知ですか?

先輩:少しは耳に入っているけど、やはりそこは部長にしっかりとインタビューしておいたほうがいいぞ。後で「そんなこと言ってない」とか、「言ったはずだ」とかならないようにしないとね。目的や狙いを外すと結果的にいろいろ無駄なことをするはめになるから気をつけろよ。

A君:そうですよね。でも、さっき部長の話を途中まで聞いたんですが、よく聞き取れなかったり、メモがうまくとれなくて……。どうやればうまく整理できますかね?

先輩:そんな時こそ、マインドマップを使えばいいんだよ。話していることをすべて書取ろうとせずにキーワードを放射状にメモしていって後でつないだり、整理してみるといいよ。不思議とその時の情景まではっきりと思い出せるからね。

A君:わかりました。今度はきちんと部長の時間を確保して、しっかりとメモしてきます。

先輩:その時に、実行時の選択基準となる「優先度」を確認しておくことを忘れずにな。マッピングした内容を整理する時には、MindManagerを使うといいよ。ドラッグ&ドロップでカンタンに編集できるからね。

A君:はい、いつもご指導ありがとうございます!

 繰り返すが、プロジェクトにとって、最も重要なのは最初に「本当の目的」を見極めることだ。

02-02 見知らぬ土地での移動に、目的地が示された地図やコンパスは必須。企業活動やプロジェクトでも「目的地」を明確にすることが重要だ。

 普段、私たちが、地上で移動する時に「目的地がわからない」という状況はあまりない。しかしながら、企業の事業活動やプロジェクト活動においてこの「目的(地)がわからない、不明だ」というケースは決して珍しくない。これが、目に見えない知的労働型業務の典型的な落とし穴でもある。だからこそ、あらゆるプロジェクト活動を「見える化」することが重要となる。

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