「Fusion Applicationsとは?」
「2008年以降に登場するすべてのOracle Applications製品群は、Fusion Applications対応になる」(Ellison氏)
業界標準のミドルウェアとSOA(サービス指向アーキテクチャ)を搭載した「Fusion Middleware」をベースに構築されているFusion Applicationsでは、ERPに代表される単なるプロセスの自動化だけでなく、より良い意思決定が可能なビジネス・インテリジェンス(BI)機能も含まれている。また、パッケージとしての販売はもちろん、SaaSモデルでも提供される。
Ellison氏は、「Fusion Applicationsの開発にあたり、PeopleSoftやJD Edwards、Siebelなど、これまで買収してきた企業の顧客との対話を行ってきた。そして顧客がOracleに何を求めているのかを理解し、そのための機能を搭載したのが、Fusion Applicationsだ」と話す。
「ボタンひとつ押せば、すべてのアプリケーションが新しくなるのであれば問題ないが、それは現実的ではない。顧客が求めているのは、段階的な進化であり、既存のアプリケーションを有効に活用しながら最新の機能へと移行することだ。また、新しいテクノロジを導入するためには投資が必要となる。そこで、明確なROI(投資利益率)を提供することも重要になる。さらに、SaaSモデルで利用できることも必要だった」(Ellison氏)
こうした顧客の3つの要求をもとに開発されているFusion Applicationsの最初のリリースは2008年上半期となる。まずは、SFA(Sales Force Automation)アプリケーションである「Fusion SFA Applications」がリリースされる予定だ。
Fusion SFA Applicationsでは、SiebelやSalesforce.comのような既存のアプリケーションと連携できるのはもちろん、「Sales Prospector」「Sales References」およびSaaSモデルの3つのモジュールが提供される。
Sales Prospectorは、データマイニングのためのアプリケーションで、顧客データベースから顧客が何を購入しているのかを分析することが可能。「簡単に言えば、Amazon.comのように、“この商品を購入したユーザーは、この商品も購入しています”といった機能の強化版を提供する」とEllison氏は言う。
また、Sales Referencesは、営業担当者向けのBIアプリケーションで、営業担当者に、「このユーザーには、この商品を販売するべきだ」といった意思決定のための情報を提供するもの。これらの機能は、SaaSモデルとしても提供される予定だ。