“8対2”に対応する帳票デリバリーASP--ネクスウェイ:実は重要な帳票(4) - (page 2)

宍戸周夫(テラメディア)

2008-02-13 19:30

手をかけたくない業務を肩代わり

 ネクスウェイは1988年、リクルートの一事業部門として産声を上げた。ファクスの一斉送信サービスを手がけ、今回のテーマでもある帳票や伝票のファクス送信サービス、さらに企業の販売促進活動を支援するファクスと、ファクスをキーワードに事業を展開。現在ではウェブやメールなども含めたIT基盤を活用した「新しいコミュニケーションを作る会社」を目指している。

 現在、同サービスを利用している企業は約9000社に上るが、FNX e-帳票FAXサービスのユーザーはさまざまだ。さらにその業務も多岐に渡る。請求書をファクスで送るというケースは少ないものの、製造業では仕入先への注文、発注から最終的な支払い通知まで。また販売サイドでは受注後の納期の回答や出荷の案内などもある。なかでも、いわゆる注文系のユーザーはそのボリュームが多い。家電メーカーの出荷案内や住宅建材の発注など、1カ月に何十万件という取引があるという。また、通販などでは個人相手に送る場合もある。

 仕組みとしては、ユーザー内のシステムから出力されたテキストデータを「全銀協TCP/IP」と呼ばれる手順でネクスウェイのFNXセンターへ送信。同センターで、このテキストデータを事前に登録したフォーマットに基づきイメージデータに変換、指定された宛先にファクス送信する。

 もうひとつ、自社で帳票設計システムを持っているユーザーの場合、その帳票をPDFファイルなどの形で受け、それをファクス送信するパターンもある。帳票設計システムを持っている企業でも持っていない企業でも、そのどちらでも対応できるということだ。

 ユーザーも、自社独自のシステムで送り、取り引きが少額の場合はネクスウェイのシステムを利用するというように使い分けているケースが多いという。取引額が多いところはEDI、少額なら同社のサービスを利用するというような形だ。

 山本氏は「帳票の宛先にも“8対2”の法則があるのです」という。帳票宛先の2割程度で売り上げの8割程度がカバーされ、反対に8割を占める取引先は売り上げで見れば2割程度でしかない。8割の取引先は売り上げにはほとんど寄与していないのである。その部分はネクスウェイに任せた方が効率的というわけだ。

田中宏昌氏 ビジネスソリューション推進部エグゼクティブマネジャーの田中宏昌氏

 田中氏もそのメリットを強調する。

 「お客様にはEDIのシステムさえあれば、後は帳票を送るということに対して何の設備も持つ必要はないのです。つまり、システム投資が必要なく、また運用の要員も必要ありません。企業はここにシステム要員を抱えたいとは決して思っていません。そこの部分はアウトソースするということで、われわれがその受け皿になっているわけです。実際に、システムはもっていても、帳票をデリバリーするところまで手が回らないという企業が多いですからね」

 さらに、また受発注にはピーク性があるが、それを気にする必要がないというメリットもある。

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