M&Aの達人になるために:第一人者が教える10の交渉ルール

文:Geoffrey James
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル 2008年02月19日 12時00分

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James Freundが教えるM&A交渉10のルール

 James C. Freund氏はM&A交渉の世界的な権威の1人であり、「Anatomy of a Merger」(Law Journal Press、 1975年)、「The Acquisition Mating Dance」(Prentice Hall、1987年)、「Smart Negotiating」(Simon and Schuster、2006年)などこの分野で複数の著書がある。Freund氏はBNETとのインタビューで重要な10の交渉術について説明してくれた。

1.事前に宿題を済ませておく

 交渉レバレッジ(交渉上の相対的優位性)、企業価値、売却価格、競合他社など、交渉に影響を持つ要因について情報を集め、それを評価する。また、相手側に尋ねられたとしても先方には知る資格のない機密情報を保護する防衛計画を策定する。買収価格の提示過程で助けになる有用な情報がさらにないかどうか目を光らせ、耳をそばだてる。

2.現実的な目標を設定する

 あなたが買収しようとしている企業の「客観的な」バリュエーション(必要に応じて専門家を活用すること)とあなたにとっての「主観的な」価値を組み合わせることによって、あなたにとっての「目標額」を設定する。ただし、その目標額を「実現可能性」を考慮して調節すること。実現可能性は相手側の意向と両当事者間の交渉レバレッジによって決まってくる。交渉が進み、新しい情報が出てきたらそのつど目標額を再評価すること。

3.「先行する」べきか判断する

 価格交渉の段階になったら、価格を提示する前に最終的に自分がどのような取引を望んでいるのかを確認し、それが現実的な目標であることをきちんと説明できるようにしておくべきだ。そうしたら、こちら側の望む数字を提示して価格交渉の主導権を握り、相手をこちら側が提示する大まかな金額の範囲に引きずり込む。

4.交渉の余地を残しておく

 自分が支払う用意のある金額よりも15〜25%低い金額を提示するのは常套手段だが、有望な企業ならその数字を10%近くにしても良いかもしれない。価格以外の条件についてはある程度の交渉の余地を残しておいた方が良いが、自分が提示する条件については説得力のある根拠を用意しておくこと。

5.金額面の譲歩のプロセスを無難に切り抜ける

 最初に自分から金額面の譲歩を申し出ることを恐れてはならないが、初回に金額を提示するときに同時にそれを実行してはいけない。そうするとあなたの信用が失われてしまう。金額面の譲歩をするときには(何回にも細かく分けないで)少ない回数で意味のある提示をし、交渉を経るにしたがって譲歩する金額の絶対値が小さくなるように注意すること。

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