テレビ会議システムと言えば、専用のハードウェアを利用するものというイメージがあるが、ブイキューブが提供する会議システムは、そのイメージと大きく異なる。同社の会議システム「nice to meet you」シリーズは、FLASHをベースにしたASP型サービスであり、WindowsかMacかという違いを気にする必要がなく、クライアントPCにインストールする必要もないというものだ。その用途も会議にとどまらず、オンラインセミナーやセールスなどの広がりを見せている。
取り払わらわれてきた先入観
同社代表取締役社長の間下直晃氏は、この数年で会議システムを取り巻く環境が大きく変わりつつあると指摘する。数年前であれば、まだインフラが弱く、音が切れたり、動きがカクカクしたりして、専用機であっても使いものにならないというイメージがあった。また、テレビ会議は特別な道具で敷居が高過ぎる、と思い込んでいた企業も多かった。
しかし最近になって、ブロードバンドの普及によりインフラも整備され、テレビ会議システムも十分に使えるレベルに達し、敷居も低くなったことを多くの人が理解し始めている。
間下氏は「ここ数年、営業がやりやすくなった」と話す。同社では電話でアポイントをとるテレアポ型の営業を展開しており、同時に社内でビジュアルコミュニケーションを使ってテレアポの効率を高めるツールを活用しているが、「以前に比べて成約の確率が高くなった」という。
その理由はソフトウェアの使い勝手や安定性が向上したからだ。「以前のビジュアルコミュニケーションのツールはPCに専用ソフトをインストールしなければならず、PCに詳しくない人にとってはそれが大きな障壁だった。ActiveXコントロールでさえセキュリティポリシーで禁じられている企業も少なくない。そのような企業でも手軽にすぐに使えるツールを提供できる。そこが大きい」と間下氏は話す。
会議システムを含めたビジュアルコミュニケーションに対する人々の意識は変わってきているというわけだ。テレビ会議という枠組みだけではなく、より広い意味でのビジュアルコミュニケーションへの関心が高まっていると間下氏は指摘する。
実際、同社の総売上高に占める、ウェブテレビ会議システム「nice to meet you ミーティング」の売上比率はいまや半分弱に下がったとしている。オンラインセミナーを実現する「nice to meet you セミナー」や、テレアポの効率化インバウンドのセールスを支援する「nice to meet you セールス」、あるいはこれらのサービスを一元的に管理する「nice to meet you CMS」といったビジュアルコミュニケーションツールの売上高が伸びているという。