「テレビ会議は、業務効率化やコストダウンに結び付くツール。現状に困っていなければ必要性を感じない。一方、オンラインセミナーのように、お金を儲けるための仕組みにシフトしたことで採用されやすくなった。オンラインセミナーのような儲けるための仕組みを体験した人が、効率化にも取り組むといった流れもある」(間下氏)
オンラインでも成約率は変わらない
オンラインセミナーを実現する「nice to meet you セミナー」は、いまや「nice to meet you ミーティング」と肩を並べるほどのビジネス規模に成長した。「nice to meet you セミナー」は、1000拠点まで同時参加可能なサービスであり、これだけの規模をカバーできるサービスは他にないだろう。
「テレビ会議と若干異なるが、オンラインセミナーの存在価値、利用効果がお客様側で実証されている。実地で開催するより圧倒的に効率が良く、セミナー実施後の成約率を見ても実地と変わらない。集客力のあるオンラインで、全国から多くの参加者を一度に集める方が効率的だ」(間下氏)
オンラインセミナーにおいても、ユーザビリティーが重要だと間下氏は話す。すでに述べたように、たとえば60歳以上を対象とするセミナーで、参加者にActiveXコントロールを要求するようでは、セミナーは成立しないだろう。
「WindowsでもMacでも参加者が使用するPCで、送られてきたメールのアドレスをクリックすればすぐに使えるようにすること。ホームページを見ている感覚で気づいたら使えていたという感覚までハードルを下げてやらないとなじまない。われわれのサービスは、それを実現できているから広がったと考えている」
ハードルを下げたことが、同社が提供するサービスの競争力につながっている。同社が提供する各種ビジュアルコミュニケーションツールは、WindowsでもMacでも携帯電話でも使えるマルチプラットフォームであり、ソフトウェアのインストールを必要としない。また、プロキシサーバやファイアウォールなど、利用者のネットワーク環境を自動検出し、自動的にプロトコルを調整し、セキュアな状態で利用できる。
テレアポの効率を高める支援ツール
同社のビジュアルコミュニケーションツールは、ASP型の提供だけではなく、顧客のイントラネットにサーバを組み込むライセンス型の提供も行っている。現在はASP型とライセンス型の売上高はほぼ同じだが、2009年以降はASP型が上回りそうだという。ASP型の月額基本料は初期費用の大きなライセンス型と比較すると少額だが、顧客数が積み上がっていくと大きくなる。「解約率も低い」と間下氏は話す。