進化するテレビ会議(13)--マイクロソフト:ウェブ会議はもっと手軽でなければならない

梅田正隆(ロビンソン)

2008-05-27 12:00

 この1〜2年、会議システム市場に大きな動きが出てきている。専門ベンダーとは異なる分野の企業が参入してきているからだ。その1社がマイクロソフトだ。同社は会議システムを含む“ユニファイドコミュニケーション”というアプローチで会議システム市場に参入している。

360度パノラマで撮影するRoundTableが人気

 そのマイクロソフトが2007年10月に発表したウェブ会議用カメラ「Microsoft RoundTable」は多くの注目を集めた。5台のカメラを上向きに搭載した、この装置を会議テーブルの中央に設置すれば、テーブルを囲む出席者の様子を円錐状のミラーに反射させて、360度パノラマで映し出せる。

 発言者の声と顔を自動認識して、別ウインドウにクローズアップで表示する「アクティブスピーカー」機能もある。話者が移動すると追跡して映すことができ、携帯電話の呼び出し音やくしゃみなどの雑音には反応しない。

 会議で使用する資料も同じ画面上に表示して、お互いに書き込むなどの共同作業も可能だ。資料は独自の形式に変換して表示するため、相手が資料を作成したソフトを持っていなくても共有できる。こうした機能を利用すれば、リモートからでも臨場感を持って会議に参加できそうだ。

 こうしたRoundTableを含む「Microsoft Office Communications Server 2007」によるウェブ会議ソリューションを、マイクロソフトは一般のウェブ会議システムとどう差別化しているのだろうか。

 マイクロソフトのシニアプロダクトマネージャである桑原智宏氏は「第一には手軽さだ」と話す。手軽さを象徴するのが、RoundTableのUSB接続。一般的なビデオ会議システムは据置型がほとんどだ。「そうしたハイレベルな会議ではなく、またコンシューマーレベルでもない、その中間を狙った。手軽さと、会議に必要十分な機能を提供する」と話す。

 手軽さという観点では、マイクロソフトは「Microsoft Office Live Meetingサービス」と呼ぶASP型のオンラインサービスも提供している。利用料金はPC1台あたり月額1000円。利用目的が会議だけであって、RoundTableを使いたい、あるいは多地点でファイル共有したい、といった程度の利用であればASP型で十分と言える。

 一方、Office Communications Server 2007などの専用サーバを導入するケースは、セキュリティを確保したい場合や、会議の内容を管理したい場合だろう。クライアント側については、ASP型と専用サーバ型との違いを意識する必要はまったくない。社外からアクセスする場合はASP型でアクセスし、社内からのアクセスであれば専用サーバにつなげるだけのことだ。クライアントの使い方、手軽さはまったく同じだ。

RoundTable_1 RoundTableを使えば、自動的に話者が自動検出される

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    生成 AI の真価を引き出すアプリケーション戦略--ユースケースから導くアプローチ

  2. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  3. セキュリティ

    マンガで解説、「WAF」活用が脆弱性への応急処置に効果的である理由とは?

  4. セキュリティ

    クラウドネイティブ開発の要”API”--調査に見る「懸念されるリスク」と「セキュリティ対応策」

  5. セキュリティ

    5分で学ぶCIEMの基礎--なぜ今CIEM(クラウドインフラストラクチャ権限管理)が必要なのか?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]