データ通信の技術革新
一方のデータ通信は、戦時下にシステムが核攻撃で破壊されてもなんとか通信を継続する手段として考案されました。1962年の話です。当時は、どの拠点が核攻撃で破壊されても通信が出来ることを目的としていたので、電話のような経路を固定して安定した通信を行うという発想は取られませんでした。しかし、光ファイバーケーブルに代表される回線の高速化、そしてルーターなどデータ伝送機器としての通信機器の技術革新が行われます。その結果、IP電話といった音声通信にも対応するようになりました。技術的に電話と同等のサービスへの対応が可能になったのです。
話をまとめると、通信の世界は電話からデータの時代になり、さらに電話のサービスもデータ通信がカバーできる技術革新が起きたということになります。ここで、自然と、両方のインフラをデータ通信のものに統一しようという発想が生まれますよね。これがNGNの意味で、既存の電話インフラをデータ通信技術を活用したインフラに統一するということです。
しかし、NGNが求められたのは歴史的背景だけではありません。通信キャリアの側にも、NGNに移行せざるをえない、已むに已まれない理由があったのです。