子供の英語学習を無駄にしない重要なポイント--エリック松永の英語道場(10) - (page 2)

エリック松永

2008-10-06 08:00

言語とリズムの関係

 私はよく、「Ericは物心がついたときには海外に住んでいたから英語がうまい、バイリンガルはいいな」と言われます。確かに、生まれてからずっとイギリスに住んでいれば英語はうまくなるでしょう。しかし私の場合、言葉を覚える年頃に最初に話した言葉は、実はスペイン語だったのです。

 ただ自分でも、言葉の学習に関して人とは違った能力があるなとは感じていて、それは何なのかずっと考えていました。そしてある時思いついたのが言葉のリズムでした。「日本語と同時に他の言語のリズムを習得すると、リズムに対して柔軟になれるのではないか」と、自己分析したのです。私の場合、英語に限らず他の言語も習得は早い方で、特に発音がいいと言われます。それは、言葉に対するリズムの柔軟性を幼少期に体が覚えているからかもしれない、と自分で勝手に解釈しています。

 だからこそ、子供の英語教育で一番大切なのは言葉のリズムを体にたたき込むことだと思うのです。英語のリズムを子供のうちに会得できれば、それは大人になっても有効な財産になるはずです。

 では実際に、どうすれば英語のリズムを習得できるようになるのでしょうか?

子供の英語学習の選択肢

 子供の英語の学習といえば、以下の3つの方法が考えられます。

  • 英語の学習教材(絵本、CD、DVD、テレビ、ラジオなど)
  • 英語教室
  • インターナショナルスクール

 簡単に言うと、手段はどれでもいいと思っています。かかるお金も違いますし、どれにも一長一短があります。しかし、ひとつだけ絶対にしてはいけないことがあります。それは、「親の下手な英語を子供たちに聴かせない」ということです。

 親は、大人の学習の固定概念で、学んだフレーズをきちんと記憶することが重要だと思いがちです。学習の過程で文法的な話をすることもあるでしょう。しかし、あなたの英語を子供の耳に入れたとたん、せっかくの学習が水のあわになるかもしれないのです。それだけではありません。英語に変な癖をつけてしまう恐れだってあります。特にリズムは体にたたき込まれます。変な英語のリズムを幼少期に覚えさすくらいなら、何もしないほうが後で苦労しないでしょう。

 そういう意味では、生活のほとんどをネイティブの英語の中で過ごすインターナショナルスクールはベストな環境であるといえます。インターナショナルスクールは海外に住むのと同じです。日本にいながらにして、欧米式の考え方や文化、習慣などが身につきます。

 ただし、インターナショナルスクールでは、日本の教育をまったく受けないので、日本とは違った考え方を持つことになります。「日本人としてのアイデンティティーは?」という壁にぶつかることもあるでしょう。親としては、安易に英語がしゃべれるようになること以上に、日本で欧米式の考え方を持つことが子供の将来にどういう意味があるのか考慮した上で、慎重に進路を考える必要があるのです。

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