仮想化ってなに? Google Magicのトリックを考える - (page 4)

エリック松永

2008-10-24 16:30

 Mr.Googleは能力を高めるために、日々古いサーバーを新しい高性能なサーバへ入れ替えるという古いやり方はしません。標準仕様の安価なサーバの台数を増やしながらによって能力をアップさせるという思想でシステムを構築しています。ちなみにサーバは自社でオリジナル製品を組み立てているそうです。徹底してますね。

 皆さんの会社でもさっそく是非、といきたい所ですが、古くからITを導入していると、サーバ以前のホストコンピュータなど、移行が難しいシステムを既に持ってしまっていることも多く、既にあちらこちらに散在した脳が、いったいどうなっているのか把握さえできないのが現実かもしれません。Mr.Googleが全面的に仮想化技術を使った発想でここまで発展してこれた背景には、まだ10歳であり、当時すでにサーバのシステムがメインになっていたという追い風もあります。しかし、今後のIT投資を考えるにあたり、Mr.Googleのマジックを他人ごとと思わず、そこから何かを学び取り、皆さんの会社ならではの仮想化技術の活用方法を検討することは重要でしょう。

 最後にMr.Googleのシステムをイメージ図にしてみるとこんな感じでしょうか?

 なんだか恐ろしいですが、これが現在のMr.Googleの圧倒的な強さを象徴しているのではないでしょうか?今回のお話ではイメージしにくい仮想化のお話をしました。なんとなく理解できましたか?あとは、イメージで構いませんので、自社にこんな風に活用できないかを考えてみてください。技術的な事はとりあえず横に置いて。自分なりの仮想化活用のイメージができたら、システムの方に相談してみてください。叱られるかもしれませんが、技術ベースではないこういったアプローチが経営の方には重要です。

 技術にしばられては絶対にいけないのです。それでは、また次回お会いしましょう。

Peace out,
Eric

Eric
筆者紹介

エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。

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