見逃せない観察ポイント
もうひとつ観察してほしいことがあります。上司が日ごろ、ほかの人に何をしてあげているかです。
人は自分がされたいと思っていることを他人にしてあげる傾向にあります。上司は、部下や同僚のために、仕事以外で何かしてあげていますか? さりげなく部下の分までコーヒーを入れて打ち合わせに入る上司であれば、逆に同じ状況の時にあなたがコーヒーを入れてあげる。そういったさりげない行為の繰り返しで、いい印象を与えることになります。
以上の例は、フローにもなっていないシンプルなものですが、まずはこのレベルで対応することが大切です。これは、先ほど述べた「自分の力で上司の喜びを導けるか」というチャートに「YES」と答えるための第1歩。上司に喜んでもらえることを日ごろあなたが実行していくと、自然と仕事がやりやすい環境を作ることになるのです。そして最終的には、あなたが仕事で高い業績を上げることこそが、あなたの評価を最も上げることになるでしょう。「高い業績」は絶対的な評価です。絶対的な評価は、人を選ばず、客観的な評価だから強いのです。
テクニック応用編
さて、少し脱線しますが、上記の「上司に喜んでもらえる方法」は、実は恋愛でも使えるテクニックなんです。
気になる男性や女性がいたならば、前述の「上司」をあなたの思う相手に替えてみる。もちろん「家庭での子どもの成長を話す時」は、外してください(笑)。
恋愛の場合、絶対的ではなく相対的な評価が主なので、これらの繰り返しが評価アップにつながます。いずれにしてもやり過ぎは禁物ですが、あなたが心から相手を喜ばせようとすることで、あなたにも与えられるものがあることに気付くでしょう。
今回のお話は、計算ずくで人と付き合う印象を受けるかもしれませんが、これはあくまで導入にすぎません。本質は、あなたの心のスタンスにあります。それが、以前お話しした「与える喜びを伴った、相手に対する『give & give』で、いつかあなたに返ってくる」ということなのです。
今回はフローチャートから話をしたにもかかわらず、「フロー」までたどり着きませんでした。次回は「フロー」を入れたケースで考えてみたいと思います。
筆者紹介
田代真人
マイ・カウンセラー 代表取締役。九州大学工学部機械工学科卒業後、朝日新聞社を経て学習研究社へ。ファッション女性誌「ル・クール」編集者の後、主婦向け実用雑誌 「おはよう奥さん」の創刊メンバーとして、主婦の悩みを解決する「悩み相談センター」を開設する。その後ダイヤモンド社へ移籍し、「ダイヤモンド・ブレイク!」「ビットビジネス」など数々の雑誌を編集長として創刊した後、ビジネス開発本部副部長に就任。2006年、これまでの編集経験から「人々の悩みを解決したい」との思いに至り、マイ・カウンセラーを設立。2007年ダイヤモンド社を退社し、メディアプロデュース業のメディア・ナレッジを創業すると共に、マイ・カウンセラーの代表取締役に就任する。
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