ポイント4: 話のネタを事前に仕込む
最初から最後までAgendaに沿った堅い話で通すのは避けましょう。日本人の会議ではそういうケースが多く見受けられますが、外国人との会議はなるべくリラックスした状態で進めるよう心がけるべきでしょう。たまに外国人が会議中にちょっとしたネタふりをしているのに、こちらサイドに余裕がなくて聞き流してしまうケースがありますが、これは良くありません。常に相手の言動には注意しましょう。
話のネタはいろいろあります。どんな話でも対応できるよう、常にアンテナを張っておくことが重要です。例えば、ネタの堅さ順に並べてみると、話題になりそうなネタは以下のようなものです。
- 双方の国の政治、経済
- 相手国で人気のあるスポーツ
- 映画ネタ(相手国の作品で評価の高いものや、日本作品で海外での評価が高いもの)
- 相手国の音楽(たまに本国でも見られないようなコンサートが日本で開催されることがあります)
- 最近の子供は……系のネタ(子供の年が同じくらいなら、日本の子供がどんなことに興味を持っているのか、どんな行動を取るのかも場を和ませるネタになります)
一期一会を大切に
ポイントはつかめたでしょうか? それでは、「とりあえずの対応」を頼まれてからの流れを簡単に整理しましょう。
- 突然の依頼がやって来る
- 相手企業の日本法人で対応するか、現地担当者が直接対応するかを確認する
- 相手企業について簡単に調べ、相手の意図を仮定する
- 挨拶メールを送り、事前確認事項をチェック(コミュニケーションの過程で相手を知る情報を収集)
- こちらの意向を明確にし、Agendaを作成する
- Agendaを事前に送付する
- 会議の事前準備
- 会議当日
- 会議やディナーが終わった後、なるべく早くフォローアップメールを送る
いかがでしょうか? とりあえずの対応を本当にとりあえずにするのと違い、何か得るものがあるはずです。一期一会とは日本の言葉。海の向こうからわざわざ足を運んでくれた方との出会いを大切にしていくことで、グローバルでの仕事が一歩面白くなるのではないでしょうか。
Peace out,
Eric
筆者紹介
エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。
イラストレーター: まつなが みか
つぶやく日本人や音楽にまつわる「人」のイラストを描く。CDジャケット、ショップ、雑誌等で活動中。エリック松永の愚妹。