Microsoftは同社のプレゼンテーションソフトPowerPointに対し、少なくとも14件の明文化されたセキュリティホールを修正する、巨大なバンドエイドを貼った。
MS09-07のアップデートは、「緊急」にレーティングされており、特別に作成されたPowerPointファイルを通じた標的型攻撃に使われているコードを実行されるセキュリティーホールに対する修正も含まれている。
(参照:マイクロソフト、5月の月例パッチ事前通知:PowerPointのゼロデイ脆弱性にパッチ)
セキュリティ情報には次のようにある。
このセキュリティ更新プログラムは、特別に細工された PowerPoint ファイルを表示した場合に、PowerPoint にてメモリ破損が起きる可能性のある状態を処理する方法を変更することで、脆弱性を解決します。また、この更新プログラムは Microsoft Office PowerPoint 2000 および Microsoft Office PowerPoint 2002 が PowerPoint 4.0 のネイティブ ファイル形式を開かないようにすることで、脆弱性を解決します。
一部の問題はOffice for Macにも影響があるが、こちらのユーザーに対してはまだパッチは提供されていない。
Office for Macと、Microsoft Works 8.5および9.0のユーザーに対するアップデートは、まだ開発中となっている。Microsoftはこれらのソフトウェアに対するアップデートも、テストが完全に終わり、高い品質を確保できた時点で発表する予定だ。今回のセキュリティアップデートを逐次的にリリースしたのは、Windowsプラットフォームのユーザーに対する標的型攻撃が行われているためだ。
14件の問題のうち、3件は「従来のファイル形式の脆弱性」と説明されているが、これらの脆弱性により、特別に作成されたPowerPointファイルを通じてコードが実行されるリスクがある。これらは、電子メールに添付されたPowerPointファイルや、特別に作成された、あるいはセキュリティ侵害を受けているウェブサイトにホストされたPowerPointファイルを通じて悪用される可能性がある。
MicrosoftのJohnathan Ness氏は、次のように説明している。
多くのPowerPointコンバーターの問題については、そのフォーマットに対するサポートを取り除くことで対処している(PP40)。その他の問題については、最新のOffice 2003 SP3コンバーターのコードを、Office XPとOffice 2000に逆移植することで対処している。例えば、PP7X32.DLLには幅広い変更が加えられており、セキュリティ情報にリストアップされている外部から報告を受けた脆弱性を修正しているが、それと同時に構文解析エンジンに対するかなりの改善を行っている。この包括的なアップデートと、セキュリティ脆弱性に対する積極的な修正が、リスクを減らし、将来の脆弱性から顧客を守るのに役立つことを願っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ