日本通運(日通)がSaaS型顧客関係管理(CRM)システム「Salesforce CRM」の利用を開始する。日通グループ全社の法人向け営業要員を中心に6000人が利用する。キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)が8月27日に発表した。今月から順次利用IDを配布、2010年3月にID配布が完了する予定だ。キヤノンMJによれば、物流業界で最大級になるという。
日通は、日本全国と海外37カ国で事業を展開。同社グループは従来、顧客情報は各事業分野や各海外法人ごとに管理していた。だが、複数の輸送手段を連携させて複合一貫輸送や国際間取引の増加するにつれ、営業先の重複による顧客情報の再入力、報告書作成などの事務作業の煩雑化が負担となっていた。
そうした事情から、リスクが低く、コストも低いCRMシステムのグループ全社への導入と営業プロセス標準化が急務となっていたという。
キヤノンMJはSalesforce CRMを自社で導入、グループ内で6000人以上が利用している。同社は、今回のケースを契機に大手企業向けにSalesforce CRMの拡販を推進、基幹系システムと連動した情報系システムのSaaS化を提案するなどサービスの充実を図るとしている。