アドビシステムズは9月17日、同社のECサイト向けメディア管理・配信サービス「Adobe Scene7」について、日本を含むアジア太平洋地域の市場において、サービス提供を開始したと発表した。
Scene7は、2007年5月にアドビが買収したインターネットサービス。年額課金のSaaS型で提供されるもので、同社のサービスビジネスへのシフトを象徴する製品のひとつである。Scene7では、「メディアポータル」と呼ばれるホスティングスペースで、画像や映像などのメディア素材を管理。1つのマスター素材から、ウェブショップの商品紹介ページ、電子カタログ、印刷用ページ、ターゲティングメールなどのさまざまな形式で、コンテンツをダイナミックに配信できるサービスだ。
Illustrator、InDesign、Photoshopなどを含むAdobe Creative Suiteのツールと統合されており、デザインコントロールに加え、素材作成からパブリッシュまでのワークフローの効率を大幅に向上できるとする。
Adobe Systems、Scene7プロダクトマーケティング、担当シニアディレクターのSheila Dahlgren氏は、製作作業の効率向上に加え、ECサイトでのユーザー体験を向上させることにより「顧客満足度は最大12%、ページの閲覧訪問数は最大50%、平均訪問時間は最大32%増加する」とした。
導入企業としては、QVC、Harrods、Macy's、Amazon、Office Depot、Polo Ralph Lauren、La-Z-Boy、Lands'End、Blockbuster、Williams-Sonoma、LeviStrauss & Co.などが挙げられており、日本ではピーチ・ジョン、JJ(光文社)といったサイトで導入されている。
Dahlgren氏は、日本でのビジネス拡大にあたり、Scene7の営業組織とカスタマーサポート担当のスタッフを配置することに加え、シンガポールに新たなデータセンターを設立することを表明。今後のアジア太平洋地域でのビジネス拡大に合わせて、設備や陣容の拡大を計画していることを明らかにした。