「Project Pink」、それにリメイクの「Microsoft Tablet」に関するうわさが先週末、ブログ界などで再浮上した。
このところあまり話題にのぼらなかったPinkとMicrosoft Tabletだが、うわさが再浮上しつつあるので、2つのプロジェクトの開発動向の概要と関連するいくつかの最新情報をまとめたい。事前にいっておくと、Microsoftは、Pinkについても新しいTabletについても、正式に認めていないし、コメントすらしていない。ここに書く情報は、純粋に情報源からのものだ。
Pink
Pinkは、Microsoftブランド(だがMicrosoftが製造するのではない)の携帯電話だ。プレミアムモバイルサービスを特徴とする(「Zune」のビデオストアと音楽サブスクリプション・購入サービスと同じようなものだ)。Microsoftが2008年にDangerを買収して以来、DangerチームがPinkの開発チームの中核となっているので、「Sidekick」に似たものとなる可能性がある(少なくとも、同じユーザー層をターゲットにしていると思われる)。
Pink関連の最新情報として、「Windows Mobile 7」のコアをベースにしていると聞いた。Windows Mobile 7はMicrosoftで現在開発が進められており、先日浮上したうわさによると、搭載した携帯電話が登場するのは2010年後半とのことだ。ということは、Macサイトが先週末に報じたように2010年1月の「Consumer Electronics Show(CES)」がPinkの初舞台となるのは難しいということだろうか?私は、MicrosoftがPinkをCESで披露する可能性は(公式、非公式ともに)まだあると思っている。なんといっても、MicrosoftはPinkキャンペーンでエージェンシーと契約しているのだ。Microsoftが実際に出荷する前にPinkに関する話題作りを狙っているとすれば、それは納得がいくことだ。
Pink(コード名は変わっているかもしれないが)が活動中のプロジェクトであることはほぼ間違いない。UX Evangelistのブロガー、Stephen Chapman氏--オンラインの求人広告と履歴書を上手に組み合わせる人だ--が先日、LinkedInで見つけたPink情報として次のような情報を教えてくれた。
Peo Orvendal
シニア開発リーダー
Microsoft
2008年7月より現職(1年3カ月)
アップデート:9to5 Macが、CES 2010でローンチするPink携帯電話の2機種のうちの1機種として、ある設計図へのリンクを掲示している。これは“Turtle”といわれているモデルだ。9to5によると、もう1つは“Pure”というコード名の機種だという。これがPink携帯電話という話は聞いたことがないが、どれも可能性がある--Microsoftの計画は常に流動的なのだ。
Microsoft Tablet(その2)
TechFlashのTodd Bishop氏と同様、私も今年前半にMicrosoftが再度Tabletを作成する計画であるという情報を得た。この数カ月、最高エクスペリエンス責任者のJ Allard氏は表舞台に登場していないが、Allard氏が開発作業を統括していると予想されている。
その後、Microsoftの「Surface」チームも--少なくとも幹部一人が--Tablet開発に関わっているという情報を耳にした。Microsoftの代表者が以前、小型Surfaceがあると示唆したことがある。当時、このプロジェクトは「Oahu」というコード名になる予定だった。だが、ここ最近で得た情報によると、最新のTablet開発は“Alchemy Ventures”といわれるものの一部のようだ。最新のTablet開発を急いで進める前に、AppleがTabletを披露するのを待つ戦略だとしても不思議はない。
Microsoftが自社ブランドのSurface/Tabletを提供するのか、ハードウェアパートナーと提携して複数のデザインを提供するのかについては、情報がない。だが、エンターテインメント・デバイス部門勤務のシニアプログラムマネージャを募集する次の求人情報を見ると、機密レベルでTabletリメイクが進んでいると確信できる。
部門:エンターテインメント&デバイス
「Xbox 360」に感動した?Surfaceの背後にある技術に魅了された?「Zune HD」の構造を知りたい?製造テスト開発チームでは、製品開発に才能と情熱を捧げてくれる人を募集しています。われわれは上に挙げたクールな製品を生んだチームで、これ以外にも新しい製品の開発を進めています。われわれは勢いのある小規模なチームで、製品がユーザーの手元に渡った後に完璧に動くよう検証作業をしています。
募集するシニアプログラムマネージャは、機能と製品を幅広く担当します。メカニカルチーム、電気チーム、ファームウェア、ソフトウェア、デザイン認証、信頼性担当のエンジニアと協業し、コンセプトからマス製品にします。すばらしい顧客エクスペリエンスを提供するため、社内・社外の組織とも作業します。
ここで確認しておくべき点がいくつかある。まずは、Microsoftはソフトウェアとサービス企業であるということだ。Microsoftの幹部は、「少なくともあと1台の」Zune HD端末を送り出した後にMP3プレイヤー事業から撤退する計画を明確にしている。Microsoftはサブスクリプションから収益を得る方向にフォーカスしており、Zuneが、Pinkを含む携帯電話向けのサービスに形を変えつつある理由はここにある。
2つ目のポイントとして、携帯電話分野におけるMicrosoftの計画は、少数のベンダーと提携することだ。これが、以前記した“シャーシ”モデルの背景にある。Microsoftは詳細なシャーシ仕様を策定し、提携先はこの仕様を満たすデバイスを作成するというものだ。
PalmはWindows Mobile事業から撤退し、自社の「WebOS」にフォーカスすることを公式に認めた(Windows Mobileベースの「Treo」といくつかの機種の投入を終えた後)が、これは苦況にあるWindows Mobileチームにとって追い討ちとなったはずだ。だが、Microsoftはここ最近、HTC、LG、Samsung、Sony Ericssonなどとの関係を深めてもいる。
MicrosoftはPink携帯電話を2010年初めに披露するのだろうか?SurfaceのようなTablet PCの登場は近いのだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ