アビームコンサルティングは9月25日、グローバルで展開する企業を対象に企業グループの資金情報を一元管理して資金効率を向上させるソリューション「アビーム グローバル・キャッシュ・マネジメント・ソリューションパック」の提供を開始したことを発表した。
今回のソリューションパックは、世界のさまざまな拠点で事業を展開する企業グループの資金情報を一元管理し、資金効率を向上させるとともに、財務リスク管理の高度化を図るためのもの。各種コンサルティングとシステム構築・導入支援をセットにした総合サービスになる。同社が独自に開発した資金管理システム(CMS)「アビーム・グローバル・キャッシュ・プランニング・システム」(Abeam GCPS)をベースにしたシステム構築・導入を行う。
ソリューションパックのおおよその価格は、企業規模によって異なるが、システムの導入・構築支援が1000万円から、各種コンサルティングが500万〜2000万円となっている。導入期間は最短でおよそ60日を想定している。
Abeam GCPSは、国内CMSとして実績があるという「Abeam CMS」の基盤と「Excel管理基盤ソリューション」を活用して開発したExcelテンプレートで構成されている。財務部門で活用されていることの多いExcelのワークシートのデータをXML化して、データベースで一元管理する。使い慣れたExcelをインターフェースとしていることで、新たなトレーニングが不要になるという。
またAbeam GCPSでは、世界中の各拠点から集まった資金繰り情報を集計して、通貨別や銀行別、地域別などさまざまな切り口で状況を表示する“ダッシュボード”機能で一覧できるようになっている。
Abeam GCPSの銀行接続には、GXSが提供する「マルチバンク型銀行接続サービス」を活用する。マルチバンク型銀行接続サービスは、銀行との直接接続、銀行間資金決済通信インフラ「SWIFT」を通じた接続の両方に対応している。接続作業時の調整からテストまでをGXSが実施、接続サービスの運用もGXSが提供する。
売上高5000億円、海外売上比率60%、バランスシートが膨張傾向にある企業をモデルとして、Abeam GCPSを導入して財務施策を実行すると10億円規模の効果が見込めると同社は試算している。
Abeam GCPSはユーザー企業がシステムを導入、自ら運用するほか、SaaS型で利用することもできる。また、Excel管理基盤ソリューションだけでのカスタマイズが難しい場合は、Abeam CMSをベースにした本格的なシステム開発にも対応するとしている。