EMCジャパンとRSAセキュリティは9月25日、両社社長出席のもと、共同会見を開いた。
2006年9月に、EMCがRSAセキュリティを買収してからちょうど3年を経過したことから、それに合わせて開催したもので、「特に新たなトピックスがあるわけではないが、これまでの3年間の成果を紹介するきっかけとして開催した」(EMCジャパン社長の諸星俊男氏)という内容だ。
諸星氏は、会見の冒頭に、「今年は、RSAセキュリティの買収から3年、EMCジャパンの設立から15年、米EMCの設立から30年という年にあたる。お笑い芸人ではないが、すべて3の倍数」と、ジョークを飛ばし、記者の笑いを誘った。
「成果を紹介する場」との言葉通り、会見は新たな製品やサービスの発表、共同マーケティングプランなどの説明はまったくないものだったが、両社長のプレゼンテーションは当初の予定時間を越える熱の入ったものとなった。
諸星氏は「EMCは、研究開発費に毎年売り上げの10%以上を投資し続ける一方で、1998年以降、50社以上の企業を買収してきた」とし、ストレージ、セキュリティ、バックアップ&アーカイブ、コンテンツ管理、仮想化&自動化、サービス、クラウドといった領域に分けて、買収戦略を進めてきた実績を示した。
「EMCによる買収の手法は、それぞれの分野でコアとなる企業をまず買収し、その後に、補完する技術を持つ企業を買収するというもの。情報セキュリティ分野を例に挙げれば、RSAセキュリティを買収したのちにNetwork Intelligenceなど複数の企業を買収した。コンテンツ管理では、Documentumが核となり、仮想化ではVMwareが核となっている。昨年買収したIomagaはコンシューマーおよびSMB向け製品の中核となる企業であり、今後、拡大するコンシューマー領域におけるデータ管理の増大に対応した形で事業を拡大していく。まだ、EMCの製品と、Iomegaが持つ製品との間には空きスペースがあるが、この領域についてもEMCが持つ現在の技術をベースにして、埋めていく考えである」などとした。
一方、RSAセキュリティ社長の山野修氏は、「RSAはEMCの情報セキュリティ部門を担う会社。APJ(アジアパシフィックおよび日本)市場においてはVMwareに次いで、成長している部門となっている。日本においては、毎週1回、EMCジャパンの執行役と面談し、マーケティングにおける協業を積極化している」とする。