Microsoftに対抗できる実力を備えたLinux
「これまでLinuxを脅威としてきたMicrosoftは、今年になって自らGPLv2のラインセンスでコードをリリースした。これは、現在、そして将来においても、ソフト開発を進める上でLinuxの存在意義を実質的に認めたことを意味する」
2009年9月21日、米国オレゴン州ポートランドで開催された「LinuxCon 2009」の初日、Linux Foundationでエグゼクティブディレクターを務めるJim Zemlin氏は、ウェルカムキーノートで、ソフトウェア開発におけるLinuxのポジション確立を強調した。
現在、コンシューマ向け電子機器や組み込み機器、スーパーコンピュータに至るまで、さまざまな領域でLinuxの活用は広がっている。Zemlin氏は、「いまやLinuxはMicrosoftにも対抗できるだけの実力を持つOSに成長した。もはや、その普及のスピードと領域は、作者であるLinus Torvalds氏自身にもその実態は把握しきれないほどだ」という。
Linux躍進の背景にある世界的トレンドとは
LinuxCon 2009に先立ち来日した際、Zemlin氏は「Linuxが使われる理由」として3つのトレンドを説明している。
その1つが「経済の動向」だ。
「世界的経済の低迷の中で、企業はコスト削減を余儀なくされている。そのため今、オープンソース、オープンテクノロジーによる製品開発とビジネスモデルは、コンピュータ業界だけでなく様々な分野、非営利組織、営利企業、国や自治体の議会、行政機関の連携により普及が進行している」と、Zemlin氏は述べる。
続けて「それとともに、クローズドソース、プロプライエタリなソフトウェアやテクノロジーによる製品開発とビジネスモデルから、オープンソース、オープンテクノロジーによる開発とモデルへの変革と転換が進行中」であることを強調した。
2つ目としてZemlin氏は「コンバージェンス」現象をあげた。コンバージェンス現象とは、デバイスの統合を意味する。