ブロケード コミュニケーションズ システムズは10月28日、楽天が運営するオンラインショッピングモール「楽天市場」のデータベースシステムに8Gbpsホストバスアダプタ(HBA)製品の「Brocade 825 HBA」が採用されたと発表した。
楽天市場のサービスのひとつである「懸賞市場」のプレゼント用データベースシステムは、2003年よりサン・マイクロシステムズ製のサーバと、EMC製のストレージ、およびブロケードの「Brocade 24000/48000ダイレクタ」で構成されていた。2009年以降にこのデータベースシステムを含む複数のシステムで使用しているサーバ機器がサポート期間を終えるため、楽天では対象となる機器をシステム単位で順次交換する計画を立てていた。
この計画の一環として楽天は、2月より新データベースシステムのサーバとストレージを接続するHBA製品の検討を開始した。旧データベースシステムで使用していた他社製HBAとブロケード製HBAを比較検討した結果、性能や機能での優位性や、管理の効率化と可用性の向上が期待できるとして、Brocade 825 HBAの採用を決定した。同製品は7月より新データベースシステムに導入され、現在稼働している。
製品検討においては、まず従来のシステムで実行していた処理が新しいHBAでも問題なく行えることが検証されたほか、従来のシステムで課題となっていた運用管理面についても検討された。
例えば、旧データベースシステムで使用されていた従来のHBAではログを出力することができなかったため、接続障害が発生してもその原因を特定することができなかった。今回導入したBrocade 825 HBAはログ出力の機能を備えており、障害の原因を特定する時間が短縮できる。また、従来のHBAではコネクタに障害が起きただけでもHBA全体を交換する必要があり、一旦サービスを停止する必要があったほか、HBAの交換後はSANスイッチやストレージの再設定が必要だったが、Brocade 825 HBAではコネクタに着脱可能なSFP(Small Form-Factor Pluggable)を採用しているため、コネクタ障害が起きてもSFPを交換するだけで対応できる。サーバの再起動も必要ないため、SANスイッチやストレージの再設定も不要だ。
こうした運用上の課題が解決できることに加え、楽天の旧データベースシステムで導入されていたBrocade 24000/48000ダイレクタが安定して稼働していたことも評価のポイントとなったという。