アズジェントと日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は10月29日、データセンターの自動化分野で協業することで合意したことを発表した。両社は日本でのデータセンター自動化の普及を促進し、クラウドコンピューティング時代に日本企業の競争力向上を支援することが目的だ。
両社は11月からデータセンターの自動化ソリューションの提供を開始する。アズジェントの販売、コンサルティング、構築、サポート、それぞれの強みと日本HPの製品、自動化についてのノウハウを統合することで、データセンター自動化で経営層を交えたコンサルティングからソリューションの構築、保守サポートまでの一連のプロセスを提供できるとしている。
データセンターの自動化では、日本HPは「HP Data Center Automation Center」を活用する。この製品群は、データセンター管理のライフサイクル全体を自動化することで、複雑な環境でも高品質なサービスを低コストで実現できるというもの。ネットワーク管理プロセスを自動化する「HP Network Automation software」、運用手順を自動化する「HP Operations Orchestration software」、サーバ管理プロセスを自動化する「HP Server Automation software」、統合構成管理データベースの「HP Universal CMDB software」から構成される。また日本HPは、データセンター環境をアセスメントして、導入効果を高めるコンサルティングサービスを提供している。
アズジェントはITILに基づく上位コンサルティングサービスを提供、最適なデータセンター設計を支援するとともに、日本HPとの協業でのアセスメントサービスを通じて、データセンター自動化のソリューション構築サービス、導入後の保守サポートを提供する。
アズジェントは、日本HPの運用監視ソフトウェア「HP SiteScope software」の国内で最も多い販売実績を持つディストリビューターとして、データセンターをサポートしてきた。ISMSの認証取得のコンサルティング、ITILコンサルティングなどのサービスを提供してきている。そうした経験から、リソースの把握、最適利用、サーバやネットワークの迅速な構成変更で、コスト削減を実現、柔軟に対応できるデータセンターを構築するには、自動化が不可欠と認識しているという。
日本は、データセンターの普及が進んでいるが、その主な利用は、顧客ごとのコロケーション、ハウジング、ホスティングにとどまっているという。クラウドを見据えた標準化システムによる複数ユーザーの共有利用には至らず、自動化もまだまだ普及していないとして両社は今回の協業に合意している。