「Windows 7」が発売となった後、私の疑問は、Microsoftがどうやって積極的に--もしくは消極的に--「Windows Live」サービスをマーケティングするのかだった。
答えは、「いく分積極的」ということのようだ。だが、独占禁止法に抵触することなく実行できるのだろうか?
1年以上前から、MicrosoftはWindowsからいくつかの機能を取り出して、無料の「リッチ」サービスとして提供している。これらを集めたのが「Windows Live Essentials(WLE)」で、「Photo Gallery」「Movie Maker」「Live Writer」「Messenger」「Mail」などが含まれている。
Microsoftの代表者は、機能を取り出して別に提供する理由は独禁法のリスクを緩和するためだとは認めたがらないが、WLE戦略/アプローチをとるメリットの大部分(かなりの部分)をこれが占めていると思う。この分離戦略の(Microsoftにとっての)デメリットは、これらの機能が無料でダウンロードできること、場合によってはPCメーカーの新製品にプリロードされているということをユーザーに知ってもらわなければならないことだろう。
Microsoftが「Windows 7を補完するバンドルサービス」と位置づけているWLEの存在をどうやって一般ユーザーに知ってもらうのかについて、Microsoftの代表者に聞いてみた。Microsoftは、「WLEについて一般消費者を啓蒙する方法」というリストを電子メールで回答してくれた。
- Windows Live Essentials(WLE)の最新版は、download.live.comからダウンロードできる。
- 大手OEMがWindows 7マシンにWLEを搭載して出荷する。たとえば、Dellは自社マシンにWLEをプリインストールすることを発表しており、数カ月以内に他の提携企業も発表できるだろう。
- Windows.comとMicrosoft.comの2つのウェブサイトに、WLEに関する情報とどこでダウンロードできるのかの情報を掲示している。
- Windows 7ユーザーには、コントロールパネルよりWLEをダウンロードできるリンク(download.live.com)を提供する。このリンクを見つける簡単な方法は、スタートメニューの検索バーで「Windows Live Essentials」と入力することだ。
- 「Microsoft Update」経由でオプションアップデートとして提供する。
- Microsoft Updateを利用するユーザーは、PCにインストールしたどのWLEアプリケーションについても、アップグレードを自動的に取得できる。
- 新規にPCを購入したユーザーに表示する「Getting Started」でWLEを紹介する。
Microsoftの代表者は言及しなかったが、Microsoftはこのほか、Microsoftが直販する「Signature」PCでもWLEにスポットを当てている。
TechFlashのTodd Bishop氏が指摘しているように、Microsoftがオンラインストアで紹介しているWindows 7搭載PCは、Microsoftのソフトウェアやサービスが多数プリインストールされており、WLEもこの1つとなる(Signature PCには、「Microsoft Security Essentials」「Silverlight」「Bing 3D Maps」「Zune 4.0」などのMicrosoftサービスのほか、「Adobe Flash」「Adobe Reader」など一部のサードパーティソフトウェアも含まれている)。Signature PCは、ソニー、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Acer、Lenovoなどが提供している。
Microsoftがこれまでのところ、WLEを積極的にプッシュしていないことは、私には驚きだ。2009年のMicrosoftの顔となったKylie(当時は4歳半だったが、5歳の誕生日を迎えている)がWLEについてあいまいに語ったぐらいだ。司法当局の監視の眼があるので、大規模なWLEキャンペーンを控えているのだろう。
MicrosoftがWLEをプロモーションしている方法(Signature PCを含む)は、独禁法訴訟につながる可能性があると思いますか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ