日立、製造業全般の統合製造管理システムに体系化--倉庫管理システム追加

田中好伸(編集部)

2009-11-19 20:48

 日立製作所は11月19日、化学や食品などプロセス産業向けに提供してきた製造管理システム「ProductNEO」シリーズを、製造業全般を対象にした統合製造管理システム「ProductNEO」シリーズとして新たに体系化して11月25日から提供を開始することを発表した。

 今回の体系化にあわせて、同社はProductNEOシリーズに、倉庫に関する各業務を支援、作業効率の向上と現場状況のリアルタイムに管理する倉庫管理システム「ProductNEO/WMS(PNEO/WMS)」を追加、11月25日から提供する。価格は個別見積もりになる。

 PNEO/WMSは、部品などの入荷から製品の出荷までの倉庫での基本業務の管理を支援する“基本モジュール”と、電子記録や監査証跡などのセキュリティ関連業務や倉庫管理システムなどの連携機能からなる“オプションモジュール”で構成される。

 基本モジュールは、在庫管理ではロット別やロケーション別に一元管理を可能にして管理制度を向上させることができる。製品別ABC分析や人時生産性管理などの統計管理機能で、最適な在庫や人員の配置、入出庫、保管動線の整流化などの業務改革機能も搭載されている。

 PNEO/WMSを活用すれば、出荷時にハンディターミナルといった無線端末を利用して作業指示書の内容と、製品や数量、ロットなどラベルとの照合を行って照合作業を単純化することで、現場の作業負担を軽減、製品知識や経験の少ない作業者でも効率よく作業を行うことができるとしている。

 部品などの入荷から製品の出荷までの作業進捗状況を一元管理することで、倉庫内の部品や製品の動きと情報の動きがリンク、作業進捗状況や製品の追跡履歴情報などをリアルタイムに把握できるという。こうした機能によって、突発的な作業変更、作業の遅延や漏れ、トラブル発生などを把握でき、適切な対応が可能になると説明している。

 基本モジュールにない独自業務がある場合は、別途カスタマイズできるほかに、オプションモジュールを活用して既存のハンディターミナルシステムなどとの連携も柔軟に実現できるとしている。

 こうした仕組みで、自社に最適な倉庫管理システムの導入が迅速、低コストで可能になっているという。PNEO/WMSを導入することで、物流現場でのヒューマンエラーによる誤作業防止、作業効率や作業品質、作業精度などの生産性向上を支援できるとしている

 新しく体系化されたProductNEOシリーズは、製造業全般を対象にして生産管理や設備制御、工場の維持管理のほかに、生産性や省エネなどの活動の評価分析まで工場全体のさまざまな業務情報の統合管理を支援するシステムを構築して“工場基幹系システム”を実現できるものと、同社は説明している。

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