三井住友銀行は2月12日、ペーパーレスを通じた環境負荷軽減と営業店業務の効率化を推進するため、支店に設置しているATM(現金自動預払機)の取引内容をコンピュータセンターにあるサーバに電子保存するシステムをNEC、沖電気工業(OKI)、日本ATM(ATMJ)、日立オムロンターミナルソリューションズ(日立オムロン)の4社と共同で開発したと発表した。今月から機能の試行を行ったうえで、4月に全国本支店にある約3800台のATMに導入する予定だという。
かつて三井住友銀行では、ATMの取引内容を、ATMに格納された取引記録用ロール紙(ATMジャーナル)に印字して保存、保管してきた。ATMで年間5億件を超える取引がある同銀行では、平成15年度からATMジャーナルの使用量削減に取り組み、店舗外ATM約2000台に対してCD-ROMによるATMジャーナルの電子保存を導入し、A4用紙換算で年間1300万枚強のペーパーレスを実現したという。
今回の共同で開発したのは、次世代型営業店システム「CUTE」で構築した業務処理サーバに、OKI製ATMジャーナルデータ収集管理システムを導入し、本支店に設置しているATMの取引内容をコンピュータセンターにあるサーバに電子保存するシステム。
これにより、A4用紙換算で年間2800万枚の紙消費が削減され、既に実現しているペーパーレス効果と合わせると年間4100万枚の削減になるという。サーバへのATMジャーナルの電子保存としては業界最大であり、3大メガバンクで最初の取り組みとなるとしている。また、紙による保管が不要となることから、紙に記録された顧客の取引情報の漏洩、紛失や誤廃棄、被災時のデータ損失といった、情報管理面でのリスクが解消されるだけでなく、ATMジャーナルの保管と管理が不要になることで営業店の生産性向上が見込まれるとしている。
CUTE端末は、2008年4月に導入が発表された後、同銀行とNEC、OKIの3社によって開発され、2009年6月に同銀行のすべての国内本支店約460店に約7000台を導入完了している。NECとOKIは、営業店に設置しているCUTEの稼働状況、障害状況を遠隔操作によってリアルタイムで監視、復旧するシステムを導入するなど、保守サービスのIT化を進め、保守員を営業店に移動させる回数を減らし、環境負荷の少ない保守サービスを提供しているという。