ITホールディングスのTISとファルコンストア・ジャパン、日商エレクトロニクスの3社は2月16日、事業継続計画(BCP)対応に向けたバックアップリカバリ(BR)と災害復旧(Disastar Recovery:DR)の分野で協業、新サービス「BRDR スーパーシステムリカバリ」を3月から提供することを発表した。
今回の協業では、ファルコンストアのリカバリソフト「FalconStor Continuous Data Protector(CDP)」と日商エレが販売代理店を務めるユーティリティストレージ「3PAR」を活用し、TISがスーパーシステムリカバリを月額3万円から提供する。同サービスは、TISが2009年11月から提供するITインフラ最適化支援サービス「IT@VSOP」の「災害対策・バックアップ統合」のメニューとして展開していく。
スーパーシステムリカバリは、リカバリを短時間で実現するためにWindowsとLinuxのサーバを対象としたBRサービスとDRサービスを提供する。データベースを含むWindowsとLinuxのサーバに対してオンラインでバックアップの取得が可能で、これによりリアルタイムバックアップを実現するとしている。
主な特長としては、高品質なBRとDRの環境を共用で活用することで、低コストでの提供で容易な導入とオンデマンドなリソース利用を実現できるという。ユーザー企業ごとのアカウント管理、ディスク領域やネットワークの分離、ファイアウォール設置、セキュリティ認証採用などによる高いセキュリティを保持できるとしている。
TISの東京第3センターをハウジング利用するユーザー企業からはiSCSI環境で接続、他拠点をハウジング利用するユーザー企業からはWAN経由で接続できる。オンライン状態でデータ領域だけでなく、システム領域も含めたサーバ全体をバックアップする。リカバリ時も既存サーバ操作端末からの操作で復旧できるとしている。
スーパーシステムリカバリの価格は、初期費用として1サーバあたり1万円、月額費用は「Standard Edition」が3万円、「Database Edition」が4万円。Standard Editionはウェブアプリケーションサーバとメールサーバ、ファイルサーバなどを対象にしており、Database Editionはデータベースサーバを対象にしている。
TISは、事業継続管理(BCM)のISO規格化への動きが進行する中、BCPソリューションへのニーズが一層高まると見込む。BCP策定では、「バックアップ媒体から本当にリカバリできるのか不安がある」「バックアップはできるが、時間がかかり過ぎる」「システム復旧の手順が複雑化している」「DRに高いコストがかかる」などの問題があるという。
そうした問題を解決するため、FalconStor CDPの低帯域回線でも高速というシステムリカバリ機能、3PARの可用性と拡張性を評価し、スーパーシステムリカバリへの活用を決めたとしている。
3社の協業は、今回のスーパーシステムリカバリを第1弾として、BRとDRの領域を対象とした「BRDR」シリーズを今後も共同展開していくという。営業面でも連携し、スーパーシステムリカバリについては、3年間で12億円の売り上げを目指す。