仮想サーバの安全性向上を目指したASET、住商情報、NEC、富士通による実証実験が成功

梅田正隆(ロビンソン)

2010-02-19 16:49

 技術研究組合超先端電子技術開発機構(ASET)、住商情報システム、NEC、富士通住商情報システムは、経済産業省からの委託研究「セキュア・プラットフォームプロジェクト」の技術を利用した実証実験に成功したと発表した。この実証実験は、経済産業省が2003年度から2007年度までの3年間で実施したセキュア・プラットフォームプロジェクトの一環として行われたものだ。

 セキュア・プラットフォームプロジェクトは、部門の壁を越えた情報システムの全体最適化を目指し、サーバ統合に必要な仮想サーバ環境の信頼性と安全性(セキュリティ)の強化に関する研究。ASETが受託し、その組合員である富士通とNECが研究開発を行った。実証実験は、プロジェクトの研究開発と関係しない第三者として住商情報システムが参加。システムインテグレーターとしての立場から実証実験を行った。

 実証実験は、2009年10月から2010年2月にかけて、住商情報システムの自社業務システムと同等の疑似環境を構築し、3000人規模の組織での利用を想定して行われた。実証実験では特に、サーバ統合した環境で実業務アプリケーションを運用する際に重要となる「安心・安全なサーバ統合」「統制ルールの遵守・徹底」という2つの観点で実用性を検証したという。

 セキュア・プラットフォーム技術の業務適用について、今回の実証実験で検証した結果、「障害の局所化による業務システムの信頼性の向上」ならびに「統制ルールの遵守・徹底に要する運用コストの削減」の2点について実証することができたと報告している。

 前者については、仮想サーバを使用したサーバ統合環境下において、部分故障隔離機能、性能制限機能およびライブマイグレーション機能を用いることで、他の業務システムからの影響およびハードウェアの部分的な故障による影響を限定でき、システム全体としての信頼性が向上することを確認。後者については、統合アクセス制御技術により、システム全体のアクセス権やID情報の設定をミスなく一括して実施できること。また、仮想サーバ、OS、ミドルウェアレイヤのアクセス権やID情報の設定について、セキュア・プラットフォームの導入により運用工数を削減できることを確認したとしている。

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